退陣のXデーは遠くない? 維新・藤田共同代表に浮上した秘書への公金還流疑惑 ついに吉村代表にも飛び火!

 自民党と連立を組んで与党入りした日本維新の会で、藤田文武共同代表の「政治とカネ」の問題が浮上した。 【写真】総額だけ手書きされ内訳が書かれていない不自然なリ社の領収証   *  *  *  口火を切ったのは共産党の機関紙「しんぶん赤旗」だ。10月29日にウェブ配信した「日曜版」で〈スクープ〉と掲げ、 〈維新・藤田共同代表 重大疑惑 公設秘書側に公金2千万円〉 〈「身を切る」どころか 身内へ税金還流〉  と題した記事を報じたのだ。 ■高額支出した会社の住所は秘書のマンション  記事によると、藤田氏の公設第1秘書が代表を務める兵庫県西宮市の会社「リ・コネクト」(以下、リ社)に、藤田氏の事務所が2017年6月から24年11月にかけて、「デザイン、印刷費」などの名目で計約2100万円を支出。うち約1965万円が税金を原資とする政党助成金など公金からの支出だった。秘書はリ社から年約720万円の報酬を受け取っており、公金が秘書に還流する構図があった。また、リ社の本店所在地は西宮市にある分譲マンションの一室で、秘書の自宅だという。  この公設第1秘書は中川慎也氏。中川氏が代表取締役を務めるリ社の登記簿を見ると、化粧品の企画、食品の輸入・製造・販売など多岐にわたる目的が記されているが、印刷・デザインにあたる項目はない。また、中川氏は藤田氏が社長のスポーツ関連会社「KTAJ」(本社・大阪府熊取町)の役員も務めている。中川氏は藤田氏の公設秘書であるとともに、藤田氏の事務所と取引をする会社の社長であり、藤田氏の会社の役員という深い関係だったのだ。  国会議員には1人月100万円の調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)が支給され、使途を報告する義務がない。維新はこれを批判し、ホームページで議員の調査研究広報滞在費の使途を公開しているのだが、公開されている藤田氏の調査研究広報滞在費の使途を見ると、リ社への支出がよくわかる。

■金額だけ書かれた手書きの領収書  例えば、2024年7月に、藤田氏の事務所はリ社に「ビラデザイン、印刷費」として75万7900円を支出。同様に、同年3月には「ビラデザイン新聞折込費」として75万5480円、23年12月には「新聞折込代行費」として29万2600円、「ビラ制作印刷代行費」として47万7620円を支払っている。これらはいずれも、リ社が藤田氏の事務所宛に発行した、金額が手書きされた領収証が1枚添付されているだけで、内訳はわからない。5万円以上の領収証には収入印紙の貼付も必要だが、いずれも張られていない。  24年10月には、手書きでない領収証が添付されていた。これを見ると、件名が「国政報告書制作費、印刷費」となっていて、品名は「Bコート紙32P 国政報告書7万部 (原稿作成及びデザイン代、印刷費を含む)」として、315万8100円が藤田氏の事務所からリ社に支払われたことがわかるが、やはりデザイン代がいくらか、印刷費がいくらかなどの内訳は書かれていない。  一方、大阪維新の会に所属する大阪市の藤田暁市議もリ社に印刷を発注していたが、大阪市議会が公表している市議会議員の政務活動費を見ると、藤田市議あてにリ社は24年3月に、120万7200円の請求書を出していて、そこには印刷費35万2200円、デザイン費72万円、企画費7万2000円などと単価や内訳が明記されている。  リ社の登記簿の目的欄を見ると、コンピューターシステムの開発なども手掛けている会社だ。それがなぜ、藤田氏の事務所には、手書きで内訳も書かれていない領収書を出しているのか。いかにも不自然に映り、この取引は実態を伴っていたのかと疑念もわいてくる。  維新の大阪市議、A氏はこう話す。 「藤田市議の添付書類にはきちんと項目、単価があるのに、藤田共同代表はなぜ手書きの領収書だけなのか。『おかしい』という声が党内でも出ており、疑惑がさらに深まっている。中川氏が藤田さんの会社の役員であることは、2年ほど前にネットなどでも指摘されていた。その後も藤田さんは発注を続けていたことになり、あまりに危機感がない。維新は自民党と連立を組んだ直後は世論調査でも支持率がアップした。しかし、藤田さんの疑惑が大きく報じられた後、急落している。藤田さんでは維新は持たない」 ■批判の急先鋒は創業者の橋下徹氏  赤旗報道を受けて、他メディアも藤田氏の疑惑を追及しているが、その急先鋒としてテレビやSNSで厳しい批判を繰り広げているのは、維新の創業者の橋下徹氏だ。  橋下氏は自身のSNSで、 〈赤旗記事は大金星や!〉  と絶賛。  藤田氏が自身のYouTubeチャンネルや会見の場で、「業務上の合理性がある」「法的にはどこから切り取っても適正」などと釈明した後も、橋下氏はさらに批判を強めている。 〈身内企業がいくらの差額を取ったのかも明らかにしない。身内企業からの印刷業者等への発注先に頭を下げて、発注額を明らかにすることの同意を得る努力もしない。権力者として、こりゃあかんわ〉 〈維新共同代表藤田氏の最大の問題点は、法解釈能力。親族への公金投入が禁じられている維新内規の趣旨を考えれば、秘書が代表を務める会社への投入も控えるのが通常の法解釈能力〉

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