米軍基地抱える湾岸諸国、イランからの攻撃に強い警戒感

6月22日、米軍によるイラン核施設攻撃を受け、米軍基地があるペルシャ湾岸諸国はイランからの報復に対する警戒を強め、米国、イスラエルとイランの双方に最大限の自制を呼びかけている。写真はバーレーンのマナマ中心部。2023年8月撮影(2025年 ロイター/Hamad I Mohammed)

[ドバイ/リヤド 22日 ロイター] - 米軍によるイラン核施設攻撃を受け、米軍基地があるペルシャ湾岸諸国はイランからの報復に対する警戒を強め、米国、イスラエルとイランの双方に最大限の自制を呼びかけている。

 湾岸諸国にはバーレーンに米第5艦隊の司令部があるほか、サウジアラビア、クウェート、カタール、アラブ首長国連邦(UAE)にも米軍基地が存在する。

 以前からイランは、米国が軍事介入すれば、中東地域にある米軍基地を含めて全ての米国資産を標的にする可能性があると警告していた。

 またイラン国営テレビは、国会がホルムズ海峡封鎖を承認したと伝えた。ホルムズ海峡は世界全体の石油・天然ガス需要の20%前後相当が運ばれる重要な航路だ。 もっと見る

 こうした中でUAEの国営通信によると、UAEのムハンマド大統領とカタールのタミム首長、サウジのムハンマド皇太子が、国際情勢や地域情勢の緊迫度が増した場合にもたらされる重大な影響について協議した。

 事情に詳しい2人の関係者はロイターに、サウジは安全保障上の警戒レベルを高めていると説明。バーレーンは国民に不必要な自動車の運転を控えるよう勧告するとともに、公務員の7割に当面在宅勤務を指示した。

 クウェートは政府省庁の建物にシェルターを設置したという。

 英シンクタンク、国際戦略研究所で中東政策の上席研究員を務めるハサン・アルハサン氏は「今まで戦争は直接敵対するイスラエルとイランに限定されていたが、米国の介入によってバーレーンやクウェート、カタールなど大規模な米軍基地が置かれている国を中心に湾岸諸国が戦争に引きずり込まれかねない重要な節目を迎えた」と話す。

 同氏は、米国とイランが全面的な戦争に突入すれば、地域全体が長期にわたる紛争に陥る恐れがあると強調した。

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Maha has been working as a Reuters journalist for over 15 years covering stories across the Middle East from Egypt, the Gulf, Yemen, Iraq, Syria, Lebanon and Jordan. She is currently Gulf Bureau Chief based in Dubai and continues to cover energy and OPEC policy. In her previous roles, Maha has overseen Lebanon, Syria and Jordan coverage as Bureau Chief based in Beirut and managed the energy and commodities file across the Middle East. Maha began her career with Reuters in Cairo.

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