韓国、主力戦車の無人機対策としてAPS、電子妨害、RCWS採用を決定
韓国防衛事業庁は11日「陸軍向けの主力戦車K2にアクティブ防護システム(APS)、対ドローン・対IEDジャマー(電子妨害装置)、遠隔操作式兵器ステーション(RCWS)等を搭載することを決定した」と発表し、現代ロテムはラファエルと2025年9月にトロフィーAPS統合で合意している。
参考:제177회 방위사업추진위원회 결과 参考:S. Korea to upgrade key battle tank, anti-ship missile programs: arms agency
韓国防衛事業庁は2023年8月「2028年までにK2を約150輌調達する4次量産計画(1兆9,400億ウォン)を3月に承認した」と発表、K2のエンジンには2次量産計画から現代インフラコア製DV27K(1,500馬力)が採用されてきたが、4次量産計画からは変速機もSNTダイナミクス製EST15Kの採用が決まり、技術の進歩によって軍の要求要件が満たされればRWSやAPSの採用もあり得ると報道されていた。
出典:SNT Dynamics
現代ロテムとラファエルは東欧最大の見本市=MSPO2025で「K2及び将来プラットフォームへのトロフィーAPS統合で合意した」と発表、現代ロテムも「実戦で証明されたトロフィーAPSをポーランド向けのK2PLバージョンを含むK2に統合する」「韓国製プラットフォームにAPSを統合するのは初めてのことだ」「戦場での実績をもつトロフィーAPSはK2の防御力を強化する大きな可能性を秘めている」と言及し、同社のイ・ヨンベ社長は2026年4月「K2PLの対ドローン対策は3段構えだ」と明かした。
ポーランドのディフェンスメディア=Defence24の取材に応じた中で「K2PLの初号機配備は2028年第4四半期に計画されている」「K2PLはウクライナ戦争の教訓を取り入れて設計が変更され装甲の強化、12.7mm機関銃搭載のRCWS、アクティブ防護システム、ソフトキルの対ドローンシステムが統合され、防御力と生存性が大幅に向上している」と明かし、現在のトロフィーAPSはクアッドコプター型ドローンや固定翼型ドローンの両方を迎撃できるようアップグレードされているため、K2PLの対ドローン対策は電子妨害、RCWS、APSの3段構えとなる。
出典:16 Dywizja Zmechanizowana
韓国防衛事業庁も11日「第177回防衛事業推進委員会でK2性能改良事業推進基本戦略を決議した。K2にアクティブ防護システム(APS)、対ドローン・対IEDジャマー(電子妨害装置)、遠隔操作式兵器ステーション(RCWS)等を搭載し、対戦車ロケット、ミサイル、自爆ドローンといった将来の戦場脅威への対応が強化される。事業期間は2028年~2046年で総事業費は3兆4,480億ウォンになる」と発表、2032年までにK2の性能改良を開発し、2033年から既存の410輌に対してアップグレードを行う予定だ。
韓国陸軍向けのK2アップグレードに採用されるAPS、電子妨害、RCWSについては情報がないものの、既にラファエルとK2及び将来プラットフォームへのトロフィーAPS統合で合意しており、K2PLで搭載方法の経験も積めるため韓国陸軍向けにもトロフィーAPSが採用される可能性が高い。
ちなみにイスラエルのメルカバMk.4、米国のエイブラムスM1A2 SEPv3、英国のチャレンジャー3、ドイツのレオパルト2A8、韓国のK2PLはラファエル製のトロフィーAPSを選択し、イスラエルの装甲兵員輸送車エータン8×8、米国の歩兵戦闘車ブラッドレーM2A4E1、オランダ、スウェーデン、フィンランド、デンマークなどが導入する歩兵戦闘車CV90シリーズはエルビット・システムズ製のアイアン・フィストAPSを選択し、主力戦車は多重爆発成形侵徹体(MEFP)で脅威を直接無力化するトロフィーを、それ以外の戦闘車両はブラスト・インターセプター方式(爆風の衝撃波で脅威を無力化)のアイアン・フィストを選択した格好だ。
陸上自衛隊中央会計隊は「装甲戦闘車両のアクティブ防護システム搭載に関する概念実証業務委託」に関する契約を2024年10月にラファエル(契約額1円)と、2024年11月に日本エヤークラフトサプライ(契約額1円)と、2025年1月に丸紅エアロスペース(契約額648,005,070円)と、さらに「装甲戦闘車両のアクティブ防護システム搭載に関する設計検討」に関する契約を2024年10月に三菱重工業(202,854,300円)と締結。
この概念実証業務委託はトロフィー、アイアン・フィスト、ストライクシールドの実弾射撃検証と検討結果を2026年2月までに納入するもので、設計検討は10式戦車へのAPS、RWS、レーダーを搭載するためのシステム設計を実施するものになり、防衛装備庁は2025年12月にAPS搭載用車両1式を三菱重工業(契約額2,700,500,000円)に、2026年3月にアクティブ防護システム1式(761,200,000円)を発注。
JM2040は6月「公示によれば非公開だったアクティブ防護システム1式の発注先はエルビット・システムズだった」と報告し、三菱重工業に発注したAPS搭載の10式戦車にはアイアン・フィストが搭載されるようだ。
出典:陸上自衛隊 第7師団
トロフィーはアイアン・フィストよりも迎撃成功率や複数方向に対する同時対処能力が優れているが、システム重量が約800kgと重く、MEFP弾の破片・爆風に周辺の歩兵が巻き込まれるリスクがあり、アイアン・フィストはシステム重量が約400kgと軽く、ブラスト・インターセプター方式は破片の少ない設計なので周辺の歩兵に対するリスクが低く、主力戦車の中でブラスト・インターセプター方式を選択したのは今のところ10式戦車のみとなる。
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※アイキャッチ画像の出典:HYUNDAI ROTEM