円買いが加速、対ドルで一時149円40銭台-日銀の利上げ観測強まる

グラス美亜、Vassilis Karamanis

  • 円は対ドルで一時1.3%高の149円47銭、昨年12月6日以来の高値
  • 植田総裁と石破首相の会談、円の強気派に自信与えた-TDのルー氏

ニューヨーク時間20日午前の外国為替市場で、円はドルに対して一段と上昇し、昨年12月以来の高値を付けた。円は他の主要通貨に対しても上げている。日本銀行が早期に追加利上げに踏み切るとの観測が強まっていることが背景にある。

  円は対ドルで一時1.3%高の149円47銭と、12月6日以来の高値。東京時間に150円台を突破した円買いの流れが、ニューヨーク時間に入って加速している。

  オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場は、日銀が7月の会合までに追加利上げを決定することを84%の確率で織り込んでいる。今月初めの時点では約70%だった。市場は9月までの利上げを確実視している。

  日本の最近の経済統計が、日銀による追加利上げ見通しを補強している。昨年10-12月の実質国内総生産(GDP)速報値は市場予想を上回り、12月の名目賃金は28年ぶりの高い伸びを記録した。

  日銀の植田和男総裁は20日に石破茂首相と会談を行ったが、長期金利上昇については話題に出なかったと述べた

  TDセキュリティーズのマクロストラテジスト、アレックス・ルー氏(シンガポール在勤)は「植田総裁と石破首相の会談は、恐らく円の強気派に十分な自信を与え、それがドルの対円での下げを加速させている」と指摘。「このところの円高と日本国債利回り上昇について議論しなかったことは、、当局が一段の利上げにも違和感を抱かないと解釈できそうだ」と分析した。

原題:Yen Advances Past 150 per Dollar as BOJ Rate-Hike Bets Ramp Up(抜粋)

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