公安のカラ出張、警部「絶対バレない」筒抜けになった監察への投書
絶対にバレない――。
公安警察の実力者とされたA警部は、自らが指示した「カラ出張」について部下にそう豪語していたという。
その不正が、警察官の非違行為を調べる監察官室に通報されたにもかかわらずだ。
部下は、A警部の自信の正体を知ったとき、警察の闇の深さに言葉を失った。
A警部と協力者の接触を支援
広島県警の巡査部長だった粟根康智さん(46)は、公安警察の一員だった。
捜査対象者の尾行などをする「作業班」に長く在籍し、情報収集活動が評価されて県警本部から表彰されたこともある。
A警部が直属の上司となったのは2019年4月。粟根さんが当時所属していた福山北署警備課に課長として着任したのだ。
A警部は、広島県警の公安警察を背負って立つ人物との呼び声が高く、獲得した協力者は数字4桁のコードネームで呼ばれる大物とされていた。
2週間に1回、署から約50キロ離れた場所で、この協力者と接触する。粟根さんを含む3人の課員がローテーションで現場に行き、防衛措置をとるよう指示された。「防衛」とは実行役を守り、支援する意味で、公安警察の用語だ。
「相手は一人で来ています。今から接触します」
防衛役の課員は、A警部が協力者に接触する直前に県警本部の公安課に電話をかけ、現場の状況を報告する決まりだ。
「やっているふりでよい」
しかし翌5月、A警部から突然、不可解な指示が下りた。
「現場に来なくていい。エア(やっているふり)でよい」「報告用に出張願は出しておけ。前の署でもやっていたから問題ない」
公務で出張したとウソをつき、旅費などを不正受給するカラ出張を命じるものだった。
疑問に感じたものの、作業班の仕事は上司の指示に逆らうことが許されない。
その日以来、3人の課員は現場に行くことはなくなった。
粟根さんはA警部の指示で不正に手を染めます。この不正の存在を監察部門も知りますが、どう対処したのでしょうか。その詳細は記事の後半で
A警…