水没車両付近で発見の男性死亡、台風死者9人に 印旛沼の周辺は浸水
台風25号の関係で、千葉県は23日、水没した車両付近で22日に見つかった印西市の60代男性と鴨川市で土砂崩れに巻き込まれ行方不明となっていた70代男性の死亡を発表した。県内で新たに行方不明者も1人見つかったという。神奈川県と県警、消防は23日、三浦市の住宅で土砂崩れに巻き込まれた原田佑佳さん(35)が死亡したと明らかにした。
死者は両県で計10人、行方不明者は計4人となっている。
また、神奈川県と県警、消防への取材によると、横須賀市長井2丁目の住宅で土砂崩れに巻き込まれて亡くなったのは沼田正さん(79)とわかった。
神奈川県ではすでに横須賀市長井1丁目の横山淳子さん(64)が土砂崩れに巻き込まれ亡くなったことがわかっている。また、沼田さんの70代の妻の行方が分かっていないほか、三浦市でも20代の女性が行方不明となっている。
千葉県ではこれまでに7人の死亡が確認されている。水没車両付近で見つかった印西市の60代男性のほか、鴨川市で70代男性と80代の男女2人、茂原市で80代女性、袖ケ浦市で51歳男性、山武市で70代女性がそれぞれ土砂崩れに巻き込まれ、死亡。23日には新たに長柄町で70代男性が行方不明であることが発表された。このほか、鴨川市で60代の男性も行方が分かっていない。
千葉県河川環境課などは22日、台風25号により、印旛沼の北沼(成田市)の堤防の一部が破堤したと発表した。周辺の田んぼや住宅地が広範囲に浸水しているという。同日午前4時半時点の水位は基準値から5.04メートルで、1968年の管理開始以来最大だった。
旧千葉外房有料道路の一部崩壊
22日朝に農業関係の団体から、印旛沼を管理する水資源機構に連絡があり、県職員らが現地で確認した。2カ所の排水ポンプ場で排水して、水位低下を図っている。復旧時期は未定という。
台風25号の影響で、千葉市緑区の旧千葉外房有料道路(県道67号)の一部が崩壊して通行できなくなっている。千葉市によると、崩落したのは誉田インターチェンジ(IC)―大木戸IC間で、約12メートルにわたって両車線が通行不能となっている。復旧の見通しは立っていない。
台風接近に伴い、20日夜から同区間を通行止めにしていた。22日朝、市職員がパトロールしていたところ、道路の崩落を確認した。同区間は8月の千葉豪雨でも被害を受け、9月3日に通行を再開したばかりだった。
住宅の被害も相次いだ。23日午前11時時点で千葉県内では19棟が全壊し、10棟が半壊、26棟が一部破損した。床上浸水は佐倉市で300棟に上り、大網白里市や松戸市、富里市、千葉市などでも計105棟が床上浸水した。神奈川県内でも22日までに横須賀市と三浦市で計3棟が全壊、横浜市と横須賀市の計4棟が一部破損したことが明らかになっている。
千葉、神奈川の両県では23日も自衛隊や消防などの行方不明者の捜索が続き、付近の住民が心配そうに見つめていた。
土砂崩れに巻き込まれた60代の男性が行方不明になっている千葉県鴨川市西町。近隣に住む50代の男性は重機などによる捜索活動を見つめていた。
男性によると、土砂崩れに巻き込まれたのは倉庫を含む平屋建ての自宅3棟。うち2棟には人が住んでいたという。行方不明の男性は、数年前にこの地域に引っ越してきて春あたりから一人暮らしだった。何度かあいさつを交わしたことがあり、バイクに乗る姿をよく見かけたという。
男性によると、これまでの台風では通過前に雨風の影響が大きく、通過した後はすぐに天気が回復することが多かったという。
「台風が抜けたと思った矢先に土砂崩れがあって、驚いた」
鴨川市危機管理課によると、現場は土砂災害警戒区域外。ただ、男性は近所の人たちと次の被害に備えて「いかに効率よく逃げるかを相談している」という。
「もう雨は降らないで欲しい」。現場をぼうぜんと見つめながら、つぶやいた。
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