中東危機とAI不安でも底堅い日本株、長期視点で少しずつ投資(窪田真之)

 先週(営業日3月30日~4月3日)の日経平均株価は、1週間で249円下がって、5万3,123円となりました。急落後、急反発した週でした。中東情勢緊迫化を受けて、3月31日には一時、5万0,558円まで下がり、年初来安値をつけました。そこから急反発して5万3,000円台まで戻りました。 

<日経平均週足:2025年1月6日~2026年4月3日>

出所:楽天証券MSIIより作成

 米国イスラエルとイランの停戦合意は困難な情勢で、原油先物は再び急騰しています。それだけ見ると、日経平均はさらに急落しそうなところですが、日本株には押し目買いも入り、やや底堅さが見えています。

<ニューヨーク市場のWTI原油先物(期近)推移:2025年末~2026年4月2日(4月3日の米国は市場休業日)>

出所:QUICKより作成

 先週、停戦合意が難しくなってきたことを受けて、トランプ大統領が「イランを石器時代に戻す」と最大限の脅し文句を使い、イランも徹底抗戦することを表明すると、原油先物は再び急騰しました。また、日経平均は急落してもおかしくない情勢ですが、やや落ち着いた動きとなっています。

 イランとの個別交渉を通じて、中国やインド、パキスタンの船舶がホルムズ海峡を通過したとの情報もあり、最悪のエネルギー危機は避けられそうとの思惑もあります。

 理由は分かりませんが、日本の商船三井(9104)が運航する船舶も2隻、ホルムズ海峡を通過できたもようです。イランとの個別交渉で、中国やインドの船舶だけでもホルムズ海峡を通過するようになれば、それだけでも世界的な原油ひっ迫が少しは改善する期待があります。

<ホルムズ海峡を通る石油および石油精錬品の1日当たり平均量(行き先別)>

出所:米エネルギー局ほか各種資料より作成

 とりあえず、日本には250日以上の原油備蓄があるので、目先いきなりエネルギー危機とはならないで済みます。備蓄水準が低い東南アジア諸国が厳しい状態です。日本はフィリピンに一部備蓄原油を送ったとの報道もあります。何らかの形で、原油危機が回避できることに期待を寄せているとも思われます。

<中東依存度を加味した国別原油備蓄日数>

出所:各種資料より楽天証券経済研究所グローバルアナリスト西勇太郎が作成(推計値含む)

 とはいえ、最悪シナリオとして、「米国がイランのエネルギーインフラを破壊し、イランが報復として湾岸産油国のエネルギーインフラを破壊する」ことも、ないとは言えない情勢であり、楽観は禁物です。

 中東危機について、先行き予測は不可能です。最悪の事態を警戒しつつ、停戦協議およびホルムズ海峡通過通行交渉の推移をウオッチしていく必要があります。

米国ナスダック総合指数が反発

 中東危機によって日本株が乱高下していますが、今起こっている株安は、中東危機だけが要因ではありません。「巨額のAI投資に見合う収益が上がらない」というAI過剰投資不安から、米国ハイテク株の下げが続いている問題も、複雑に絡んでいます。

 先週は、値下がりが続いてきた米国ハイテク株に押し目買いが入って、米国ナスダック総合指数が1週間で4.4%の急反発となりました。株価収益率(PER)が高かった米国ハイテク株が値下がりによってPERが低下したことを受けて、「十分に調整した」と見た投資家からの買いが入りました。

<米国ナスダック総合指数の週足:2025年1月3日~2026年4月4日>

出所:楽天証券MSIIより作成

日本株の投資方針

 結論はいつも述べていることと変わりません。日本株は割安で長期的な上昇余地は大きいと考えています。ただしショック安によって日経平均が2~3割下がることはよくあります。 

 今、中東危機および米ハイテク株安によって、先行き不安が高まり、日経平均が急落したところです。

 日本株は長期的には良い買い場と思いますが、短期的には下値模索が続く可能性もあります。いつ、どこで大底をつけるかは誰にも分かりません。株の買い増しは少しずつ、ゆっくり行っていくべきと思います。

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