iPhone 17 Proを見て思った。Appleはジョブズと決別したのだと…
ついに発売されたiPhone 17シリーズ。大幅なデザインチェンジが発売前から話題でしたが、実際はどうだったのでしょうか。
正直にいいます。iPhone 17 Proの箱を開けた瞬間、私はセンチメンタルになりました。
だって、Appleがスティーブ・ジョブズと決別したのを突きつけられたような気がしたから。
Photo:中川真知子もちろん、ネガティブな印象ばかりではありません。シルバーは想像よりはるかに美しく、高級感が漂っていました。
パッと見は違和感しかない背面のデザインだって、機能を優先したからこそであり、使っているうちに慣れてくるのでしょう。
スポーティーとヤンチャさを融合したようなデザインは、ストリート系ファッションやアウトドアファッションにマッチしそう。
なんなら、Apple Watch UltraのiPhone版みたいな遊び心と高級感さえ漂わせています。
でも、でも…! 私は、iPhoneの歴史の決定的な分岐点がやってきた気がして寂しくなったんです。
Photo:中川真知子カメラのバンプはついに端末上部を覆うほど巨大化しています。
Photo:中川真知子ある意味潔いのかもしれませんが、デザイン的に美しいかと言われると答えに困ります。頭の中を浮かぶのは、「ジョブズやアイブならこのデザインは却下したのではないか」という問い。
わかっています。ジョブズなら…、アイブなら…、と言い続ける虚しさも、過去に囚われる私たちに向けられる侮蔑の目も。
でも、iPhoneが与えてくれたのは、「便利さ」ではなく「とんでもないカリスマが作ったプロトタイプを手にするワクワクの共有」という経験でした。新作iPhoneを買うたびに、大人であることに感謝しました。労働対価を、食費を犠牲にしてでもガジェットに費やせる喜びを噛み締めたものです。
しかし、目の前にあるiPhone 17 Proは、現代社会のニーズを汲み取り、顧客のニーズを反映し、競合他社のスマホを意識してアップデートを重ねた「商品」です。
ええ、もちろんいいスマホです。「A19 Pro」チップが搭載されたことで、iPhone 16 Proよりも最大40%高いパフォーマンスが維持できるようになりましたし、冷却システムによって長時間の撮影だって快適になっているはず。
私のように、ノスタルジックに浸ってしまう面倒くさい人間でなければ、素晴らしいiPhoneなんですよ。
Photo:中川真知子でも、ガラスパネルが気になってしまわないでしょうか。カバーをつければいい、そこは機能面を優先しているのだ、古いデザインに固執するのは良くない。いろんな意見はあるでしょう。
でも、ジョブズがこのデザインを見たら、水槽に放り込むんじゃないかと思うんです。
Photo:中川真知子まぁ、基本的にユーザーはスクリーンを見るわけで、背面なんて滅多に意識しないでしょう。それに、カメラとバーが机の上でガタついて不安定なので、使い心地を優先する上でもカバーをつける人は多いはず。背面にこだわる必要はないのかもしれませんけどね…。
Photo:中川真知子ただ、作り手の強烈な美学にユーザーが合わせるフェーズが終わり、作り手が市場とユーザーに迎合するフェーズに切り替わったのを象徴するiPhoneだな、と思い知らされちゃった気がします。
その点でいえば、iPhone Airのほうがジョブズ感があるかもしれません。だって、かなり攻めた作品だと思いますもん。
Photo:中川真知子最後にダメ押しのようにお伝えしますが、別にiPhone 17 Proをむやみやたらとディスりたいわけではないんです。
ただ、Appleだから買う、ではなく、これからは純粋にスマホとしてのスペックを比較してiPhoneにするか、他にするかを選択することになるんだろうな、と個人的に感じました。
Source: Apple