一躍脚光! 安川電機や富士通、日立など「フィジカルAI」関連株/日経平均反発【今日の注目株&日本株市場見通し】「デイリーZAi」10月24日号

◆今日の内容を10秒でチェック!  ・日経平均は3日ぶり大幅反発!  米ハイテク株高を引き継ぐ ・ニデックが業績未定に、コーテクHDは上期上振れ ・安川電機や富士通、日立など「フィジカルAI」に脚光!  【表を見る】AIロボティクス技術に強みを持つ安川電機、米エヌビディアと連携する日立製作所や富士通、FA関連企業にロボット部品メーカーも…脚光を浴びる「フィジカルAI」関連銘柄はこちら! ●【1】今日の株式相場&話題株 早わかり!  3日ぶり大幅反発!  米ハイテク株高を引き継ぐ 【今日の相場】  日経平均株価は3日ぶり大幅反発!  23日の米国市場では主要株価指数がそろって反発した。30日にトランプ大統領と中国の習近平国家主席が会談することが明らかになり、摩擦緩和への期待が高まったことでハイテク株を中心に買いが入った。また、時間外取引では半導体大手インテルが決算を受けて上昇。こうした流れを引き継ぎ、今日の東京市場でも値がさハイテク株に反発期待の買いが入り、日経平均株価は後場に一時4万9435.31円(+793.70円)まで上昇した。売買代金上位ではソフトバンクグループやフジクラ、アドバンテストが堅調で、キオクシアホールディングスは大幅高。一方、IHIは利益確定売りに押された。  今晩の米国では9月の消費者物価指数(CPI)が発表される。政府機関閉鎖の影響で延期されていたが、市場の注目度は高いようだ。来週は注目イベントが目白押しで、株式相場への影響が気になるところ。週明けの月曜コーナー『今週の焦点』に加え、X(旧ツイッター)の音声チャット「スペース」でも解説していく。 【※Xスペース配信(10月27日)はコチラからリマインダー登録! 】 ⇒https://x.com/i/spaces/1YqKDNDVgAzJV 【日経平均】49299.65円↑↑ (+658.04円) 【グロース250】728.74↓ (-2.51) 【NYダウ】46734.61ドル↑ (+144.20ドル、23日) 【ナスダック】22941.798↑ (+201.402、23日)  【今日の話題株】 ◆ニデック(6594) 2460円(-90.5円)  不適切な会計処理の疑いに関する調査が継続中であることから、2026年3月期の上期(4〜9月)及び通期の業績予想を取り下げた。従来予想は上期営業利益が1200億円(前年同期比0.4%減)、通期営業利益が2600億円(前期比8.2%増)だった。また、中間配当を無配に、期末配当を未定に変更(従来予想は中間20円、期末22.5円)し、自社株買いも中止した。 ◆コーエーテクモホールディングス(3635) 2117円(+63円)  2026年3月期の上期(4〜9月)業績を修正し、営業利益は従来予想50億円を上回る78億円(前年同期は106億円)となったもよう。既存ゲームタイトルのリピート販売が増加したほか、外注加工費や広告宣伝費などが想定より減少した。一方、複数の新作タイトルの発売予定が第3四半期以降であることから、通期の業績予想は据え置いた。 ◆太平洋工業(7250) 2960円(+206円)  MBO(経営陣が参加する買収)の一環で7月から株式公開買付け(TOB)を実施しているが、TOB価格を2050円から2919円に引き上げた。期間も11月7日までに延長。TOB開始後にシンガポールの投資ファンド、エフィッシモ・キャピタル・マネージメントが株の買い増しを続け、株価は従来のTOB価格を上回って推移していた。 ●【2】金曜コーナー「今日の注目株」 安川電機や富士通、日立など「フィジカルAI」に脚光!  ソフトバンクグループが8日、スイスの重電大手ABBからロボティクス事業を買収すると発表。そのリリース内で、ソフトバンクGの孫正義会長兼社長が「次のフロンティア」に挙げたのが「フィジカルAI」だ。フィジカルAIとは、ロボット・自動運転車などの機器に搭載されるAI(人工知能)を指す。AIを活用した自律型ロボットは製造現場における人手不足の解消、生産性の向上などに貢献することが期待できそうだ。  前述のソフトバンクG以上に直近1カ月間の株価パフォーマンスが良好なのは、産業用ロボットを手掛ける安川電機だ。3日発表の決算が好感された面もあるが(10月22日号参照)、証券各社がフィジカルAIの恩恵を受ける銘柄として取り上げたことも大きいだろう。安川電機のようなFA(ファクトリーオートメーション)関連企業はロボティクス技術に強みを持ち、フィジカルAI分野での活躍が見込めそう。そこでFA関連企業を中心に、昨今のフィジカルAIをめぐる動向を下表にまとめた。  フィジカルAIをめぐる企業の動向は活発となっている。富士通と米エヌビディアは3日、AI領域で戦略的協業を行うと発表した。その一環で、安川電機とフィジカルAIの社会実装に向けた協業検討を開始。日立製作所もエヌビディアと連携し、フィジカルAIソリューションの開発・導入を加速するための集約型インフラ「AI Factory」を構築すると発表した。川崎重工業は米ベンチャーと提携し、トラックへの自動荷積みを行うAIロボット「Mech」を共同開発。三菱電機は14〜17日に開催されたテクノロジー見本市「CEATEC 2025」(10月16日号参照)に出展し、独自の「Neuro-Physical AI」を活用した“未来の工場”を提案した。  FA関連企業では、前述の安川電機や三菱電機のほかにファナック、オムロンなどの取り組みが注目されるし、ロボット部品でもミネベアミツミ、ハーモニック・ドライブ・システムズなどがフィジカルAIの恩恵を受けそうだ。  上の表を見てわかるように、ここ1カ月の株価上昇が比較的穏当な関連銘柄は多い。ただフィジカルAIへの関心の高まりにとどまらず、30日の米中首脳会談で摩擦緩和が期待されること、決算で設備投資需要に回復感が出てくることなど、関連銘柄の見直しのきっかけになりそうな材料は多い。出遅れている関連銘柄に注目してみるのもよさそうだ。 (ザイアナリスト 小林大純)

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