道路陥没、壁は崩落…写真でみる各地の被害状況は 青森県で震度6強

 8日午後11時15分ごろに発生した青森県東方沖を震源とする地震で、同県八戸市で最大震度6強を観測しました。気象庁によると、青森県で震度6強を観測したのは1996年に震度計を設置して以降初めてとのことです。

地震発生から一夜が明け、各地での被害が徐々に明らかになってきました。現地に入った記者による写真で、現場の状況をお伝えします。

【青森・東北町】陥没した国道に車が転落

 青森県によると、県内では午前8時時点で22人のけが人が報告されています。岩手県や北海道を含め、けが人は午前6時時点で30人にのぼり、住宅火災1件が発生しています。

地震の影響で陥没した国道に転落した軽乗用車=2025年12月9日午前10時56分、青森県東北町、藤原伸雄撮影

地震の影響で陥没したため、国道が通行止めになっていた=2025年12月9日午前11時12分、青森県東北町、藤原伸雄撮影

地震の影響で陥没した国道に軽自動車が転落していた=2025年12月9日午前10時55分、青森県東北町、藤原伸雄撮影

 震度6強を観測した八戸市では、午前8時時点でけが人12人が確認されました。

 市によるといずれも軽傷とのことです。市内の宿泊施設で天井の一部が落下するなどの被害もあり、市が確認を進めています。

 道路の被害も陥没など3件あったということです。

地震の影響で壁が崩落したショッピングセンターで撤去作業をする作業員。奥にはクリスマスツリーが倒れていた=2025年12月9日午後1時38分、青森県八戸市、藤原伸雄撮影

地震の影響で壁が崩落したショッピングセンターで撤去する作業員。奥にはクリスマスツリーが倒れていた=2025年12月9日午後1時39分、青森県八戸市、藤原伸雄撮影

地震の影響で臨時休業している八戸ショッピングセンター「ラピア」の前に集まる工事関係者=2025年12月9日午前10時45分、青森県八戸市、朝日新聞社機から、上田幸一撮影

激しい揺れで商品が崩れた日用品店=2025年12月9日午前3時1分、青森県八戸市、三浦英之撮影

灯籠(とうろう)が倒れた神社=2025年12月9日午前10時50分、青森県八戸市長者1丁目、朝日新聞社機から、上田幸一撮影

 青森県八戸市の市街地にあるダイニングバー「マジョリ」では、店内の窓ガラスが割れ、窓枠だけになっていました。地震直後、割れた窓ガラスや棚から落下したグラスの破片が店内に散乱したとのことです。

 片付け作業に追われる店主の大澤俊平さん(41)は、「今までで感じたことのないくらい大きな横揺れだった。この時期は忘年会シーズンで繁忙期。仕入れていた食材や飲み物が全部無駄になってしまった。ダメージが大きい」と肩を落としています。

=2025年12月9日午後4時16分、青森県八戸市、藤原伸雄撮影

地震で割れた窓ガラスのかけらが散らばる商業施設=2025年12月9日午後3時53分、青森県八戸市、藤原伸雄撮影

=2025年12月9日午後4時16分、青森県八戸市、藤原伸雄撮影

 八戸市内の一部地域では水道の断水や濁った水が出るなどの被害が出ていて、同市内では9日から4カ所の臨時給水所が設置されています。

八戸市内に設けられた給水所で、水を受け取る40代の女性(右)。「自宅では断水はしていないが、まだ水が濁っている。料理するために使う水をもらいにきた。こうした支援はありがたいです」と話した=2025年12月9日午後5時58分、青森県、藤原伸雄撮影

 水を受け取りにきた女性は「自宅では断水はしていないが、まだ水が濁っている。料理するために使う水をもらいにきた。こうした支援はありがたいです」と話しました。

【岩手・盛岡市東北新幹線は一時運転見合わせに

 東北新幹線は9日始発から盛岡―新青森の上下線で運転を見合わせましたが、JR東日本は午後3時41分から東北新幹線の盛岡―新青森駅間の上下線の運転を再開したと発表しました。

地震の影響で遅れた在来線の乗客に遅延証明書を渡す駅員=2025年12月9日午前9時43分、JR盛岡駅、小林正明撮影

地震の影響による在来線の遅れを知らせる表示=2025年12月9日午前9時28分、JR盛岡駅、小林正明撮影

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