「移民はいらない」首相は豪語するけれど 少子化ハンガリーの現場は

現場から

ブダペスト=杉山正

ハンガリー東部キシュバールダの鶏肉加工場で作業をするフィリピン人のゲストワーカーたち=2025年9月10日、杉山正撮影

 少子高齢化による働き手の不足を、外国人労働者で補う。一方で、外国人が増え続けることを懸念する声が上がる。

 少なくない先進国がたどってきた道だ。

 そうした中で10年ほど前、「経済を機能させるにも、人口を維持するのにも、国の未来のためにも、移民を一人も必要としていない」と声高に主張した国家指導者がいる。

 東欧・ハンガリーのオルバン首相だ。

 ウクライナに侵攻したロシアに融和的な姿勢をとり、性的少数者らの権利を抑え込む。その強権的な姿勢から、欧州連合(EU)の「異端児」として知られている。

ハンガリーのオルバン首相=2025年12月、ロイター

 現在の第2次オルバン政権は2010年に発足し、4期目に入っている。そのオルバン氏の人気を支えてきたのが、移民・難民への厳しい姿勢だ。

 「移民は欧州に問題と危険を持ち込む。阻止すべきだ」とテレビ番組で公言したこともある。

 15年にはハンガリーに迫る難民を国境で止めるため、フェンスを建設して国際的な非難を浴びた。

不法移民対策でセルビア国境に設置された鉄のフェンス=2025年9月11日、ハンガリー南部、杉山正撮影

 排外主義的だと言われるハンガリーだが、じつは外国人は増えている。総人口に対するEU域外からの外国人の比率は2%ほどにまでなった。

 ハンガリーで暮らす外国人たちは、社会の中でどのように扱われているのか。現地を訪ねた。

 ハンガリー東部キシュバールダにある、鶏肉加工の国内最大手「マスター・グッド」の工場。多くのフィリピン人従業員たちが、加工作業に携わっていた。カメラを向けると作業の手を止め、笑顔で手を振ってきた。

ハンガリー東部キシュバールダの鶏肉加工場で作業をするフィリピン人のゲストワーカーたち。カメラを向けると笑顔を見せた=2025年9月10日、杉山正撮影

 マスター・グッドはグループ全体で3700人の労働者を雇用しているが、そのうち500人がフィリピン人だ。さらに120人を追加で雇う予定だという。

外国人受け入れ、「後戻りできない」

 排外主義のイメージが強いハ…

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この記事を書いた人

杉山正
国際報道部専任記者
専門・関心分野
移民難民、外交安保、紛争、民主主義

連載不安の正体 多民社会

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