パックンでも「理解できない」母国アメリカ 冷笑的に見る中間選挙 [アメリカ中間選挙]:朝日新聞

インタビュー

聞き手・棚橋咲月

米大統領選について語るパックンこと、パトリック・ハーランさん=2020年10月、東京都港区、加藤諒撮影

 「アメリカ人の僕でも、今のアメリカを理解できないんです」――。11月3日に迫る中間選挙を前に、タレントの「パックン」ことパトリック・ハーランさんはそう語ります。

 共和党の牙城(がじょう)だった州まで揺れて激戦になる一方、それでもアメリカは大きく変わらないかもしれない。母国を見つめる複雑な心境を聞きました。

世界が注目する中間選挙。気になるあれこれについて、お伝えします。

「共和党の牙城」で激戦

 ――日本から不在者投票はしましたか?

 実は今回、投票ができないかもしれません。母親が住むアメリカ南東部ノースカロライナ州に住所を移すはずだったのですが、手続きの不備が判明したからです。

 ノースカロライナ州は伝統的には共和党が強く、連邦上院選を挙げると、民主党が最後に勝ったのは18年も前です。でも今回は激戦州になっています。僕は民主党の候補に投票するつもりだったので、大きな意味を持つ一票だったはずです。

 ――「共和党の牙城」とされてきた州でも激戦と報じられています。

 一番驚くのは中部カンザス州。民主党候補が連邦上院選で最後に勝ったのは94年前です。戦前の時代からずっと共和党の牙城のカンザス州に、民主党の議員が生まれるかもしれないんです。すごくないですか?

「パックン」ことパトリック・ハーランさん=2022年9月7日、東京都中央区、岡田晃奈氏撮影

 ――なぜそこまで、民主党に肩入れを?

 今回の選挙は明らかに、トランプ政権2期目の前半2年の賛否を問うもの。僕はテレビ番組などでトランプ大統領を真っ向から批判するので「反トランプ」とよく言われますが、別にトランプ氏という人間に関しては無関心です。

 「新たな戦争をしない」と大統領選で約束しておきながらイラン攻撃に踏み切り、数々の汚職疑惑にまみれ、独裁者に優しく、同盟国に厳しい。こういった大統領には誰であっても反対するわけです。

アメリカの軌道修正「半分あきらめている」

 ――バイデン氏がトランプ氏を破って初当選した2020年大統領選のインタビューでは、「跳びはねて喜んだり、泣いて悲しんだり。大きく感情を揺さぶられるのが大統領選」と話しておられました。では、中間選挙とは。

2020年当時、アメリカ大統領選について「感情を揺さぶられる」と話していたパックンこと、パトリック・ハーランさん=加藤諒撮影

 僕はアメリカについてどんどんシニカル(冷笑的)になっているから、前ほど感情の起伏が激しくありません。「もうアメリカ人の僕でもアメリカを理解できない」と思うんです。

 議事堂乱入も含めて、あれだけのことをした人が有権者の支持を得て2024年に再選した瞬間から、アメリカの軌道修正を、半分諦めています。

 ――とはいえ、今回民主党が上下院で過半数を獲得すれば、風向きは変わるのでは。

 民主党が勝ったとしても、ア…

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この記事を書いた人

棚橋咲月
東京社会部|平和・憲法・沖縄・拉致
専門・関心分野
平和、沖縄

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