地球の自転がまた急加速、一体なにが起こっている?--8月5日は記録上最短級の1日に(CNET Japan)
世界標準時の8月5日は地球の一日がいつもより1.25ミリ秒ほど短くなりそうだ。ただ、その原因を科学者は解明できていない。 フォトレポート:NASAが明らかにしたオーロラの秘密 地球の自転に奇妙な変化が起きている。ここ数年、不規則に回転速度が速くなる日があり、科学者たちはこの不可解な現象の解明に頭を悩ませている。もちろん、これが私たちの日常生活に目に見えて影響を与えることはない。 次の「短縮された一日」は2025年8月5日(火)で、この日の地球の一日は通常より1.25〜1.51ミリ秒ほど短くなると予想されている。 「Time and Date」によると、この予測は国際地球回転・基準座標系事業(IERS)と米海軍天文台が出したもの。当初は1.51ミリ秒短縮される見込みだったが、最新の予測では1.25ミリ秒へと微調整された。この夏、地球の自転が速まるのはこの夏で3回目で、7月にも2回、同様の現象が観測されている。 もし当初の予測(1.51ミリ秒)が正しければ、8月5日は観測史上3番目に短い一日になる。ちなみにこれまでの記録を見ると、最も短かったのは2024年7月5日(1.66ミリ秒短縮)、2番目は2022年6月30日(1.59ミリ秒短縮)だ。ただ、予測が外れてさらに短くなることもあり得るため、もしかするとこの日に新たな記録が生まれるかもしれない。 参考までに地球は普段、約8万6400秒かけて1回転している。1ミリ秒はわずか0.001秒だから、人間が時間の短縮を感じ取ることは絶対にない。もちろん私たちの生活にも影響は出ないだろう。 なぜ地球は急に速く回り出すのか? 地球の自転速度が急に上がる理由として考えられるものはいくつかあるが、有力視されているのは「月の位置」だ。月が地球の赤道より大きく北や南に離れて位置する場合、その引力のわずかな変化が地球の自転速度を揺さぶることがある。 実際、2025年8月5日の月は赤道よりずっと南側に位置する予定であり、この位置関係が地球をわずかに速く回転させている可能性が高い。ただし、この影響は一時的なものに過ぎないと予測されている。 科学でも解けない地球の謎 科学者たちは、そもそもなぜ地球が加速しているのかに頭を悩ませている。およそ2億4500万年前、恐竜が地上を支配していたころ、地球の一日は今よりも約1時間半も短かった。それ以来、月の引力が地球の海洋を引っ張り続けたことで、地球の自転はゆっくりと減速してきた。この減速傾向は、1973年に地球の回転を正式に記録し始めて以来ずっと確認されてきたことだ。 ところが近年、その長年の常識が覆されつつある。地球の回転が微妙に加速しているのだ。月の軌道変化である程度は説明できるが、それだけでは完全な答えにはならない。2023年に科学誌『Nature』に掲載された論文では、「2010年頃から地球の内核が減速し始めた可能性があり、それが地球表面の回転を速めているのではないか」という仮説が提唱されている。しかし、この説にはまだ明確な裏付けがないままだ。 この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。