povo2.0に新トッピング、小・中容量帯拡充で使い方はどう変わる?
KDDI傘下でpovo2.0を運営するKDDI Digital Lifeは、10月7日に一部の定常トッピングを改定することを発表しました。同日より、新トッピングの提供が始まっています。
新たに追加されたのは、「5GB(30日間)」の小容量トッピングや、「90GB(90日間)」などの1カ月あたり30GBになる中容量トッピングです。新設されたトッピングは30GBになるものが多く、この容量帯を強化した格好です。
逆に、20GB(30日)といった、povo1.0のころからなじみのあったトッピングは10月20日で提供を終了することになります。1カ月あたりの容量が25GBになる「300GB(365日)」も合わせてなくなることを踏まえると、中容量帯は30GBに集約していく方向性が見えてきます。
この入れ替えでどのような使い方が可能になるのでしょうか。ここでは新しくなったpovo2.0のトッピングのおトクさを検証していきます。
まずは利用者の多い小容量帯のところから見ていきましょう。これまでのpovo2.0は、30日という期間で提供しているものに絞ると、選択肢は3GB一択でした。1GBトッピングもありますが、こちらは有効期間が7日間と短め。月末に向け、データ容量が足りなくなりそうな時に買い足すトッピングと位置づけられています。
ここに、5GB(30日間)というトッピングが加わりました。1回あたりの料金は1380円。990円で提供されている「3GB(30日間)」のトッピングと比べると390円ほど高くなっていますが、そのぶん、データ通信は2GB多く使えるトッピングになっています。データ容量が多いだけあり、1GBあたりの単価は3GB(30日間)よりも低くなっています。
3GBトッピングは1GBあたり330円なのに対し、5GBトッピングは276円です。povoは自由にトッピングを買い足していくことができ、3GB(30日間)と1GB(7日間)を組み合わせて4GBプランのような形で利用することもできます。
ただし、こちらの金額は新設される5GBトッピングと同じ1380円。あらかじめ3GBを超えることが分かっていれば、5GBを買っておいた方がより多くのデータ容量を使える計算になります。
悩ましいのは、3GB以下と3GB超を行ったり来たりしている場合。あらかじめ購入しておくのが3GBトッピングだけなら990円で済みますが、超えてしまった際に、1GBを追加しただけで1380円になります。
これなら、最初から5GBトッピングを買っておいた方がお得になると言えるでしょう。一方で、5GBトッピングを購入すると必ず料金は1380円かかってしまいます。
どちらがいいかは一概には言えませんが、3GBトッピングで足りなくなる月が多い人は、最初から5GBトッピングを購入した方がいいでしょう。変動が大きい人は、ベースとして購入しておくトッピングは従来通り3GBにしておき、容量を抑えた方が節約になります。
選択が難しい印象もありますが、過去の使い方を振り返り、自分が毎月どの程度のデータ量を使っているかは把握しておいた方がいいでしょう。
また、5GBを超えることがあらかじめ分かっていれば、1GB(7日間)を追加で買うより、思い切って中容量のトッピングを購入した方がいいかもしれません。5GB+1GBでの料金は1770円。
これに対し、次に容量が小さいのは「60GB(90日)」で、1カ月あたりは20GBです。60GB(90日間)の料金は6490円ですが、1カ月換算だと2164円になります。5GB+1GBとの差分は394円です。
それでもまだ5GB+1GBの方が安いので、切り詰めたければこちらを選択する手はあります。一方で、もう1GBとなると、料金は2160円になり、差額は4円まで縮まります。6GBを超えるのが確実という人には、60GB(90日間)がオススメというわけです。
まとめて6490円も払えないという人には、新設トッピングに合わせて標準サービスになったペイディの分割払いがオススメ。3回払いに設定すれば毎月トッピングを購入するのと同じような感覚で利用できます。
もう1つの定常トッピングは、有効期間の長い30GB帯です。元々povoでは、「30GB(30日間)」を2780円で提供していましたが、これに加えて90GB(90日間)や、「180GB(180日間)」が新設されました。
前者も後者も、1カ月あたりに換算すると30GBになり、有効期間が長い方がまとめ買いをするぶんだけ、ギガ単価は安くなっています。
90日間の料金は7980円で、1カ月あたり2660円。これに対し、180日間は1万4880円となり、1カ月あたりに換算すると料金は2480円になります。上記のように、ペイディによる分割払いも可能になったため、毎月30GBが必要という場合は、180日間のトッピングを購入しておいた方がおトクになります。
一方で、2700円で提供されていた20GB(30日間)のトッピングは10月20日で提供を終了することになりました。元々、20GBトッピングは30GBトッピングと80円しか差がなかったこともあり、おトク感があまりなかったほか、90日、180日の長期トッピングと比較すると、価格が逆転していました。
そのため、存在意義が薄れつつあったと言えるでしょう。競合他社のオンライン専用プランを見ても、ahamoやLINEMOが続々と20GBプランを30GBプランに増量しており、競争力が低くなっていたと言えます。
30日あたりで比較すると、しれっと80円値上げしたように見えなくもありませんが、それを補うために長期トッピングを追加してきたと言えるかもしれません。
これを超えた場合の定常トッピングは、9834円の「300GB(90日間)」トッピング。こちらは1カ月あたりに換算するとデータ容量100GB、料金は3278円になります。
30GBトッピングでもっとも安い180日間との比較では798円差。100GBだと、スマホ単体では無制限に近い感覚で使えるため、容量をあまり気にしたくない人にはオススメのトッピングになります。
この3278円という金額は、楽天モバイルの20GB超を強く意識した金額とみられます。とは言え、100GBという天井があるのも事実。これを超えたい人には、「データ使い放題7日間 12回分」もあり、実質的に3カ月間、データ通信が使い放題になります。
ただし、こちらはその都度、コードを入力していかなければならず、管理が少々面倒。手間がかかるぶん、安く利用できるというわけです。
小容量、中容量をそれぞれ強化したpovoは、料金プランを改定したUQ mobileの受け皿にもなります。UQ mobileの「トクトクプラン2」は、5GB以下で4048円。
「自宅セット割」や「au PAYカードお支払い割」を組み合わせると1628円まで下がる一方で、povoの5GB(30日間)よりも割高。割引適用の条件を満たせない人にも、povoの方が使い勝手はいいと言えます。
また、UQ mobileのトクトクプラン2は、段階制を採用しているため、5GBを超えると料金が自動的に天井まで上がってしまい、30GBまで各種割引適用後で2728円まで上がってしまいます。
これに対し、povoの場合には先に述べたように1GBトッピングを買い足して容量を増やしていくことが可能。アプリによる操作は必要になりますが、よりきめ細やかなプラン設計ができます。
仮に30GB使う場合も、povoの180GB(180日間)トッピングであれば、上記のように2480円で利用が可能。UQ mobileのトクトクプラン2は各種割引適用後に2728円になるため、それよりも安く利用することができます。
UQ mobileからの移行であれば、むしろ長期トッピングの方が相性はいいはず。オンラインに特化しているぶん、割安な料金が設定されていると言えます。
UQ mobileだけでなく、ドコモもirumoを廃止し、「ドコモmini」を導入しています。こちらは、4GBが各種割引適用後で880円。
ただし、この金額は「ドコモ光セット割」や「dカードお支払割」、「ドコモでんきセット割」が当たった状態での話。しかも、キャンペーン終了後は、年会費のかからないノーマルのdカードの割引額が550円から220円に減額されてしまいます。
割引フル適用であれば、povo2.0の3GB(30日間)トッピングよりも安く、かつデータ容量も1GB多くなりますが、光回線や電気サービス、さらにはクレジットカードと条件が多いのが難点。
その意味では、1回線から、かつ常にこの料金になるpovoの方が利用はしやすいと言えるでしょう。小容量や中容量のトッピングを追加したことで、povoの魅力がより高まったと評価できます。