OpenAI、「GPT-6」を早期にリリースか?--アルトマン氏が次世代モデルの登場時期を示唆
Sabrina Ortiz (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部
2025-08-22 07:25
OpenAIは8月初旬、待望の「GPT-5」モデルファミリーを発表した。リリース時には一部に不安定な要素も見られたが、同社はその勢いを緩めることなく、すでに次世代モデルである「GPT-6」の予告を開始している。
CNBCの報道によれば、OpenAIのSam Altman氏は先週、報道陣との談話の中でGPT-6に関する一部の情報を明かした。それによると、GPT-6はすでに開発が進められており、発表までの期間は、「GPT-4」からGPT-5までの間よりも短くなる見込みだという。さらに、当然のことながら、GPT-6が従来のモデルを性能面で上回ることを示唆し、幾つかの新機能についても言及している。
CNBCの報道によれば、新しいモデルはユーザーへの応答や適応を通じて、より個別化された機能を発揮するとされている。これは「記憶(メモリー)」機能の強化によって実現されるもので、ユーザーの特定の好みを記憶し、それに応じたより適切な対応を可能にするという。
Altman氏は報道陣に対し、「人々は記憶機能を求めている」とし、「人々は自分のことを理解してくれる製品機能を望んでいる」と述べた。
現在、ChatGPTで利用できる記憶機能は、4月にアップデートされたものである。この機能は、ユーザーとの過去の会話を参照し、今後の応答をより適切に判断するために活用される。Altman氏は、同機能が過去1年間で最も気に入った発表だと述べている。一方で、一時的な記憶が暗号化されていない点については、プライバシー上の懸念も示している。報道によれば、将来的には同機能も暗号化される可能性があるという。
パーソナライゼーションに加えて、Altman氏は、将来のChatGPTのバージョンがTrump米政権による直近の大統領令を順守する必要があると述べている。この大統領令は、「イデオロギー的な偏見や社会的な議題」に基づいて構築されたとされる、いわゆる「Woke AI」の使用を禁止する内容である。また、同社は今後のユーザー体験の開発に向けて、心理学者と協力していることも明らかにしている。
具体的なタイムラインはまだ公表されていないものの、Altman氏は、GPT-5からGPT-6までの間隔は、GPT-4からGPT-5までよりも短くなると述べている。この発言から、過去のリリース時期を参考にすれば、GPT-6の発表時期のおおよその見当をつけることができそうだ。
ChatGPTが広く普及した2022年11月当時、同サービスは「GPT-3.5」で動作していた。その後、OpenAIは2023年3月にGPT-4をリリースし、さらに1年後の2024年3月には、マルチモーダル性を導入するなど機能を大幅に強化した「GPT-4o」を発表した。しかし、GPT-5のリリースは2025年8月まで行われなかった。このため、GPT-4からGPT-5までの期間は2年以上に及び、少なくともそれよりも早くGPT-6が登場することになるだろう。
ただし、製品発表のタイムラインは常に後ろ倒しになる傾向があるため、この非常に大まかなスケジュールをそのまま信じるべきではない。例えば、Altman氏は2月、「X」で新しいモデルのロードマップを初めて公開し、GPT-5の発表は「数週間から数カ月以内」とコメントしていた。しかしその後、4月には計画の変更があったとし、GPT-5のリリースを数カ月延期した。代わりに、「o3」および「o4-mini」のリリースへと方針を切り替え、最終的にGPT-5は8月に発表された。
OpenAIがこれほど急速なペースで開発を進めている背景には、同社が掲げる汎用(はんよう)人工知能(AGI)の達成という究極の目標がある。AGIの実現は多くの専門家によってまだ遠い未来の話と見なされているが、OpenAIはその野心的な目標に向けて、絶え間ない技術革新と研究、そして段階的なモデルのアップグレードを続けている。頻繁なモデルのリリースは、同社の開発スピードと存在感を押し上げる原動力となっている。
The Informationの報道によれば、OpenAIの売上高は120億ドルに達したとされており、これは2024年12月に報告された55億ドルの約2倍に相当する。また、ChatGPT製品には企業/ビジネスユーザーを含め、約7億人のアクティブユーザーがいるとされている。
OpenAIは以前からこの成長の波に乗っており、2025年第1四半期だけで売り上げが30%増加したという。市場では製品の種類が多すぎてユーザーが圧倒される傾向も見られるが、OpenAIの成長はそうした業界の一般的な傾向とは異なり、むしろ製品の多様性が成長を後押ししている。
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。