コロンビア大図書館をデモ隊が占拠、NY市警突入で約70人逮捕

ニューヨーク市警は7日夕、コロンビア大学のバトラー図書館に立てこもっていた覆面の抗議者らを排除するため館内に突入した。法執行当局者によると、70人余りが逮捕された。

  抗議者は図書館の一部を占拠し、館内の壁にパレスチナの国旗を掲げた。その多くはクーフィーヤ(中東の伝統的な格子柄のスカーフ)やフェイスカバーを着用していた。同当局者によると、警察の活動が続いているため逮捕者数はさらに増える可能性が高いという。公に話す権限がないことを理由に匿名で語った。

  今回の抗議行動を計画したのは、パレスチナ支持学生団体の連合体「コロンビア大学アパルトヘイト・ダイベスト(CUAD)」。ニュースレター配信プラットフォーム「サブスタック」で、バトラー図書館に100人余りが「殺到」し、その名称を「バゼル・アル・アラジ人民大学(Basel Al-Araj Popular University)」に改名したと発表した。 

  今回の事件は、トランプ政権の怒りをさらに招く可能性がある。同政権はコロンビア大学がユダヤ人学生を保護できていないとして、既に4億ドル(約575億円)の補助金を打ち切っている。

  ハーバード大学やプリンストン大学、ノースウェスタン大学、コーネル大学などにも非難の矛先を向けており、2023年10月7日のイスラム組織ハマスによるイスラエル奇襲攻撃後に広がったイスラエルへの抗議活動を受け、これらの大学が反ユダヤ主義を助長していると非難している。

コロンビア大学バトラー図書館の外で逮捕されたパレスチナ支持の抗議者(5月7日)

  コロンビア大学のシップマン学長代行は、抗議者が図書館から退去することを拒否したため、大学側がニューヨーク市警の支援を要請したと述べた。大学に関係のない者を含む多くの人々が建物内外に集まり、安全上の懸念が高まっていたという。

  シップマン氏は声明で、群衆の押し合いにより、大学の警備担当職員2人が負傷したと明かした。

  ニューヨークのアダムズ市長は建物を占拠していた人物が大学関係者でない場合は逮捕され得ると警告した。

  アダムズ市長はX(旧ツイッター)に、「抗議活動に参加している学生の保護者の方へ:お子さんに電話して、法律を破ることは誤りであり、すぐに建物から退去すべきだと伝えてください」と投稿。「コロンビア大学に在籍していないキャンパス内の抗議者らへ:直ちにキャンパスから退去してください。さもなければ逮捕されます」と呼びかけた。

  一方、CUADはXで、数十人の抗議者が警備担当職員から暴行を受けたと主張。学生に対して大学の入り口に集まるよう呼びかけた。

  米大学における反ユダヤ主義を批判してきたニューヨーク州選出のエリス・ステファニク下院議員はXへの投稿で、今回の事件はトランプ政権による大学への補助金停止が正当であることを示していると述べた。

While Columbia students try to study for finals, they’re being bombarded with chants for a “global intifada.”

President @realDonaldTrump is right: not a single taxpayer dollar should go to a university that allows chaos, antisemitism, and civil rights violations on its campus.… pic.twitter.com/LPQt1zj3IW

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