「半導体に100%の関税」、トランプ氏表明 国内生産なら優遇

Andrea Shalal David Shepardson Arsheeya Bajwa [ワシントン 6日 ロイター] - トランプ米大統領は6日、米国に輸入される半導体に約100%の関税を課すと表明した。輸入される全ての半導体に適用されるが、米国内での生産を約束した企業には適用されないとした。 「米国に輸入される全ての半導体やチップに100%の関税を課す」とホワイトハウスで記者団に述べたが、米国での生産を約束した企業や、米国内生産に向けて取り組んでいる企業には課されないと説明した。 「もし何らかの理由で(工場を)建設すると言っておきながら実際にはしなかった場合、関税をさかのぼって積み上げ、後に請求することになる」とも述べた。 今回の発言は正式な関税の発表ではなく、対象になる半導体の数量や影響を受ける国など詳細は分かっていない。 半導体受託生産の台湾積体電路製造(TSMC)は米国内に工場があるため、大口顧客である米エヌビディアなどの関税コストが上昇する可能性は低い。 国家発展委員会の劉鏡清主任委員は7日、台湾企業は半導体関税に対抗するため、米メーカーと協力するだけでなく、米国に工場を建設したり、現地工場を持つ米国企業を買収したりしていると述べた。 アネックス・ウェルス・マネジメントのチーフエコノミスト、ブライアン・ジェイコブセンは「米国で生産する余裕のある、資金力のある大企業が最も恩恵を受けるだろう。最大手が生き残る」と述べた。 バイデン前大統領は2022年にCHIPS・科学法に署名し、総額527億ドルを投じて米国内での半導体製造・研究を促進するためにアジアから半導体メーカーを誘致した。 商務省は昨年、米国の半導体生産量は世界全体の約12%と発表。1990年の40%から減少している。 中国は半導体関税の対象となる可能性が高い。ピーターソン国際経済研究所のシニアフェロー、マーティン・チョルゼンパ氏は「米国では半導体生産に非常に多くの投資が行われているため、業界の大部分が(関税を)免除されるだろう」と述べた。 一方で、中国製は免除されないため、中芯国際集成電路製造(SMIC)や華為技術(ファーウェイ)製の半導体も免除されないとし、米国に輸入されるこれらの企業の半導体は大半が中国で組み立てられた機器に組み込まれていると指摘。「部品関税なしで適用されるなら、半導体関税を導入してもあまり違いはないかもしれない」と述べた。 韓国や日本、欧州連合(EU)は米国と貿易交渉で合意しており、有利になる可能性がある。 韓国の呂翰九通商交渉本部長は7日、100%の半導体関税について、サムスン電子とSKハイニックスは対象にならないと述べた。米国との貿易協定により韓国の半導体は各国の中で最も有利な関税率になるとの見解を示した。 EUは自動車、半導体、医薬品を含む輸出品の大部分について15%の関税率で合意したと発表。韓国と日本はそれぞれ、半導体に関して他国に劣後する扱いとならないと米側が確約したとしている。 一方、フィリピン半導体電子工業会のダン・ラチカ代表は、トランプ氏の半導体関税が同国にとって「壊滅的」なものになると述べた。 マレーシアのアジズ投資貿易産業相は「関税発動の結果、自国製品の競争力が低下すれば、米国の主要市場を失うリスクがある」と議会で述べた。

ロイター
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