450人超のエコノミスト、クック理事とFRB独立性を支持-公開書簡

トランプ米大統領が住宅ローン申請に関する不正疑惑を理由に解任に動いたクック連邦準備制度理事会(FRB)理事に対し、著名エコノミストが支援の声を上げている。

  450人余りのエコノミストがクック氏を支持する公開書簡に署名。FRB理事の解任には極めて高いハードルがあるとし、選挙で選ばれた公職者は中央銀行の独立性を損なう行為や発言を控えるべきだと訴えた。

  2日に公表された書簡には、ノーベル経済学賞受賞者のクラウディア・ゴールディン氏やポール・ローマー氏、オバマ元政権下で大統領経済諮問委員会(CEA)委員長を務めたクリスティーナ・ローマー氏、クック理事と共同で論文を執筆したオハイオ州立大学教授のトレボン・ローガン氏らが署名している。

  「クック理事に関する最近の公的な発言は、解任の脅しや既に解任されたとの主張など、いずれも証拠のない疑惑と共に持ち出されている」と書簡では指摘。「こうしたやり方は中央銀行の独立性という根本的な原則を脅かし、米国で最も重要な機関の一角に対する信頼を損なうものだ」と続けた。

  トランプ氏は先週、クック理事が2021年の住宅ローン申請書類を巡り不正を働いたとの疑惑を受け、クック氏を即時解任する意向を表明した。クック氏はトランプ氏に抗議し、ワシントンの連邦裁判所に提訴。疑惑は自身が就任する前の時期に関するもので、FRB理事の解任に必要とされる「正当な理由」には当たらないと主張している。

  クック氏はバイデン前大統領により2022年に指名され、FRBで初の黒人女性理事となった。同氏の任期は2038年まで。

  書簡にはカリフォルニア大学バークレー校のデービッド・ローマー教授、元FRBエコノミストのクラウディア・サーム氏やジュリア・コロナド氏も署名している。

  「われわれはクック理事および長年にわたり米経済の強さを支えてきた制度的な仕組みを支持する」と記した。

原題:Over 450 Economists Back Cook, Fed Independence in Open Letter(抜粋)

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