翼をひろげた銀河の鳥「ESO 593-8」 6億5000万光年先の三重衝突
【SAPOD】今日の「宇宙画像」紹介です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)
【▲ 「ESO 593-8」の比較画像。ハッブル宇宙望遠鏡が撮影(左)、超大型望遠鏡「VLT」が撮影(右)(Credit: NASA, ESA, the Hubble Heritage Team (STScI/AURA)-ESA/Hubble Collaboration and A. Evans (University of Virginia, Charlottesville/NRAO/Stony Brook University), ESO)】
(引用元:HUBBLE)
こちらは、いて座の方向およそ6億5000万光年先に位置する相互作用銀河「ESO 593-8(ESO 593-IG 008/IRAS 19115-2124)」です。天文学者のあいだでは、その姿から「The Bird(鳥)」とも呼ばれています。この銀河の正体は、巨大な渦巻銀河2つと不規則銀河1つが重力で絡み合う“三重衝突”の姿です。
- Image Credit: Credit: NASA, ESA, the Hubble Heritage Team (STScI/AURA)-ESA/Hubble Collaboration and A. Evans (University of Virginia, Charlottesville/NRAO/Stony Brook University)
- esahubble - ESO 593-8
見どころは、鳥に例えられたその“翼”と“頭”。長くのびる“翼”は、重力で引き延ばされた星やガスの流れ(潮汐尾)で、そのひろがりは天の川銀河に匹敵し約10万光年を超えています。“頭”に相当する銀河は、画像からは分かりにくいものの、非常に活発な星形成が行われているようです。
相互作用をしている3つの銀河は時速140万km超ですれ違いながら、数億年かけて1つの巨大銀河へ合体していくと考えられています。
【▲ 「ESO 593-8」を鳥に例えた際の各部位の解説。冒頭の画像を時計回りに90度回転した画像(Credit: ESO)】編集/sorae編集部