「iPhone Duo」を触ってみて感じたフリック入力への懸念とディスプレイの感動
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本体サイズや質量には少々疑問点が残るが、実機を触ることで感銘を受けた部分も多数ある。1つはヒンジの構造だ。iPhone Duoのヒンジには100以上のパーツが緻密に組み込まれているとのことで、開閉の動作は非常にスムーズ。また、Galaxy Z Fold8では非対応となってしまったフレックスモードに対応する。半分折り専用のUIもしっかりと用意されており、ネットフリックスアプリなどは、下側に反射した映像をぼんやりと映し出すなど、驚異的な最適化すら行われている。調整できる角度は「無段階」と表現されている通り、使用する上では考えられない鋭角でも固定できる。触った感触ではないが、本機はIP68の防塵防水性能を有しているのもポイント。ヒンジの柔軟性と耐久性を両立させている点には、さすがアップルと唸らされる。これらのヒンジ構造は、本体の厚みや質量とトレードオフであるため、「厚くてもこの使用感、安心感が得られればいい」と判断する人がいても、不思議ではない。メインディスプレイの仕上がりも、他社にはない魅力だと感じた。ポリマーコーティングが施された低反射ディスプレイは、写り込みが低減されているだけでなく、さらっとした手触りが心地よい。他社折りたたみ機種の場合、“ぺこっ”とした柔らかいタッチ感が気になったり、指紋の付着が目立つのが難点だが、iPhone Duoにおいては、この心配はなさそうだ。多くの方が気にする折り目については、全くないとはいわないまでも、低反射ディスプレイの効果もあり、ほとんど気にならないレベルに仕上げられている。開閉を繰り返すことで、折り目がどんどん目立っていく可能性はあるが、使用上の問題はあまり出てこないだろう。メインディスプレイ側のインカメラは、UDC(アンダーディスプレイカメラ)と呼ばれる、ディスプレイ内蔵方が採用されている。斜めから見ると、うっすらカメラの存在が確認できるが、正面からではほぼ気がつかない。
UDCは、Galaxy Z Fold6以前のモデルでも採用されてきたが、サムスンは画質の低さを理由として、Galaxy Z Fold7より、一般的なパンチホールカメラを採用している。iPhone Duoでも同様に画質は気になる部分だが、サッと試した感触では、著しく画質が悪い印象はなかった。画質がいいとはいわないまでも、Web会議程度であれば問題はないレベルだと感じている。
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iPhone Duoは、アップル初の折りたたみスマホとしてだけでなく、その販売価格も話題を呼んだ。Apple Storeでは、最小構成のストレージ256GBでも36万4800円と、他社折りたたみモデルと比較しても、高いといわざるを得ない。一方で、iPhone Duoが高値になった納得感はある。初のプロダクトというだけでなく、こだわったヒンジや使用感のいいディスプレイ、UDCといった多数の要素を盛り込んでおり、アップデートにてApple Pencilにも対応予定なのは魅力だ。ソフトウエアの開発にも相当なこだわりを見せているが、ここは詳細なレビューをお待ちいただきたい。これらの開発にかかるコストに加え、部材高騰も直撃。さらに日本市場においては、円安も加わる。iPhone Duoが仮に昨年発売されていれば、30万円を下回っていた可能性すらあるだろう。多角的に要素を見ていけば、高級端末になったことに納得ができないわけではないが、それでも「誰にでもおすすめできる」とはいえない価格になってしまっているのは厳しい。執筆時点では、各キャリアでの販売価格が発表されていないが、iPhoneのように、キャリア間での価格競争が勃発すれば、実質負担額を抑えられる可能性は高い。それでも月々の支払額との相談にはなるが、手に取った時に「いい質感だ」という感触は、ぜひ多くの人に体験してもらいたい。
取材・文/佐藤文彦