「トマホーク供与なら最悪の結末」、プーチン側近のメドベージェフがトランプに核の威嚇(ニューズウィーク日本版)

トランプとメドベージェフは、これまでも公の場でたびたび対立してきた。昨年メドベージェフがロシアの核報復システム「デッドハンド(死の手)」の存在に言及した際も、ロシア指導部が全滅しても自動的に核兵器を発射するとされるその仕組みにトランプが強く反発した。 トランプは、メドベージェフの発言を「極めて挑発的」と非難し、アメリカ海軍の原子力潜水艦2隻を展開した。SNS上で過激な言動を繰り返すメドベージェフを「愚か者」と呼んだこともある。 今回の投稿でメドベージェフは、「トマホーク供与の話も、空虚な脅しであることを願う」と、原子力潜水艦の件を皮肉った。 トランプは10月13日未明、大統領専用機エアフォースワン内で記者団に対し、トマホーク供与について「あるかもしれない」と答え、こう続けた。「もし戦争が終結しそうにないなら、ウクライナにトマホークを送るかもしれない」 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は12日、過去2日間にトランプと2度会談し、「ウクライナの強化」について協議したと述べた。とくに長距離攻撃能力に関する議論が行われたという。会談は「実りあるものだった」と、ゼレンスキーは言う。

ウクライナ外務省の報道官ヒョルヒー・ティーヒーも10月10日、ウクライナ国内メディアの取材に応じ、「現時点で『ノー』という回答は出ていない」とし、前向きな協議が進んでいることを示唆した。 一方、ロシア議会の国防委員会のアンドレイ・カルタポロフ委員長は10月8日、ウクライナにトマホークが供与されたとしても、戦場での影響は限定的との見方を示した。ただし、モスクワの対応は「厳格かつ複雑で、精密かつ非対称な対応になる」と述べた。 またセルゲイ・リャブコフ外務次官も今月初め、「アメリカにはその行動がどんな結果をもたらすか、何千回も精査するよう求める」と、国営メディアに語っている。 エリー・クック

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