デモの損害、参加者に連帯賠償責任 仏上院が法案可決 左派反発

 発信地:パリ/フランス [ フランス ヨーロッパ ]

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【10月28日 AFP】フランス上院は28日、街頭デモで生じた損害について、参加者に金銭的な賠償責任を負わせる法案を可決した。左派や人権擁護団体らは、抗議デモを行う権利を制限しかねないと反発している。

法案は、5月に行われた欧州サッカー連盟(UEFA)チャンピオンズリーグ決勝で、パリ・サンジェルマン(PSG)がアーセナルに勝利した後に発生した暴動を受けて起草された。

だが、格差や物価高騰に抗議するデモが数週間にわたって続き、10月17日には全国で数千の店舗や事業所が破壊・略奪されるなど、フランスで近年最悪規模の暴動に発展したことを受け、法案の重要性は一段と高まった。

上院は、過半数を占める右派と中道派による支持を受け、法案の適用範囲を拡大した修正案を賛成229、反対105で可決した。

法案は今後、複数の勢力に議席が割れており、合意形成が非常に難しい状態にある国民議会(下院)に送られ、審議と採決が行われる。

2027年フランス大統領選の世論調査で支持率首位に立つ極右政党「国民連合(RN)」の指導者マリーヌ・ルペン前党首は、法案を支持している。

ローラン・ヌニェス内相は議会で、10月17日の暴動により生じた損害や混乱への対応が「急務」だと強調した。

「少数の破壊者のために、大多数の国民が代償を払うことを、これ以上許すわけにはいかない」と述べた。

■「法律の名を借りた茶番」

法案によると、街頭デモ中に生じた損害について、参加者は最大1万ユーロ(約176万円)の損害賠償の支払いを命じられる可能性がある。

だが反対派は、破壊行為に一切加わっていない参加者も、実行犯と関係があったと判断されれば、賠償責任を負わされる可能性があると指摘している。

法案は、破壊行為を行う目的で結成された集団に「承知の上で加わった」と認定された参加者に対し、連帯して賠償責任を負わせる制度を導入するものだ。

また、警察が2回にわたって解散するよう警告した後も、公共の秩序を乱す恐れのある集会に「自発的に」参加し続けた者も連帯責任を負わされる。

この制度では、損害賠償費用に充てるため、社会福祉給付や住宅補助を差し押さえることも可能になる。こうした規定には、左派政党や人権擁護団体が激しく反発している。

上院議員らはこの措置をさらに厳格化し、家族手当、就学援助、雇用に関する特別一時金など、他の社会給付も差し押さえの対象に加えた。

左派議員らは、政府が抗議デモの自由を犠牲にして「権威主義化」を進めていると批判した。

共産党のファビアン・ゲイ上院議員は、「デモ参加者と暴徒を意図的に混同する、法律の名を借りた茶番だ」と述べた。

緑の党のメラニー・フォーゲル上院議員は、政府が社会的要求に対して「集団的懲罰」で応じていると非難した。(c)AFP

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