「事務所前で男が自爆して手首が吹っ飛び…」浅草の暴力団「松葉会」の“凶悪事件”と“昨今の凋落”「プリンやメロンをお中元に持ってくるようになった」《本部解体で更地に》 (NEWSポストセブン)

「ヤクザ事務所の近くに住む」とは、どういった生活なのか。周囲の住民らを取材したところ、恐怖と隣り合わせの日常が浮かび上がってきたのだ──。【前後編の後編。前編から読む】  1999年9月9日未明、「ドカーン」という爆発音が本部事務所で発生した。駆けつけた警察官の目の前には、50代とみられる男性が手足から血を流して倒れてこんでいた。男性の手首は吹き飛んでいたという。 「母によると午前3時くらい、まだ夜が明けていない頃に大きな音がして飛び起きたそうです。事務所前で人が倒れていて大きな声で叫んでいたとか。怖くて外に観に行くことはできなかったようですが、その後のニュースでその人が自爆して手首が吹き飛んでいたと報じられていました。まさか近所でそんなことが起きるなんて……」(近隣住民)  前編でも報じたように、様々な事件の関係先として、警察の捜査の対象になっていた松葉会本部。ただ、近年は暴力団排除の機運が高まり、かつてのような派手な事件はなくなっていったと言う。 「時代とともに松葉会も変わっていった」  この近隣住民はそう続けた。 「景気のいい頃は、若い衆が近隣の店で買い物することもありました。高価なネックレスとかスーツとかも買ってくれていて、地元にお金を落としていました。  ただ、景気が悪くなると、高価な買い物はさっぱりなくなって(笑)。一方で、近くの喫茶店について『あそこのスパゲッティが美味いんだよ』と教えてくれるヤクザがいたりとか、庶民的な感じで以前より身近に感じるようになりました」 

 かつて近隣を恐怖させていた、組長らによる月1会合も無くなった。当時は道路の両側に100メートルくらい組関係者の黒塗り高級車がズラーっと並び、強面の男たちが睨みをきかせていたというが……。 「もう10年以上前に迷惑駐車はなくなりました。むしろお中元、お歳暮を持ってくるようになってね。渉外担当のような中年の優しそうなおじさんが、浅草シルクプリンとか千疋屋のメロン、今半のつくだ煮、とらやの羊羹とか……上等なものを持ってきてくれました。  今回、退去する時も、そのおじさんが挨拶に来て、『本当は言いたい事がたくさんあるけどね。ここはすごいお金かけているから壊したくなかったんですよ。出来ればどこかに売却したかったんですよね……』って嘆いていました」  すっかりおとなしくなっていたという松葉会だが、本部事務所には往年の凶悪さの面影が残っていたようだ。 「解体作業をしていた方が『ロケット弾が撃ち込まれても壊れないような強固な床になっていたから、解体に時間がかかっているんですよ』って言っていました。解体期間も、当初1か月の予定だったのが、3か月まで延びたのよ」  松葉会がこの地に本部を構えておよそ30年。「今は平和になって安心しています」と話す近隣住民の安堵した姿が印象的だった。 (後編了。前編から読む) 

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