金星に生命は存在するか? 英国の新探査計画が答えを見つける可能性

金星に生命はいるのだろうか。惑星科学で最も興味をそそられる問題の1つに対し、英国が主導する新たな宇宙探査計画が間もなく答えを出すかもしれない。金星の大気に含まれる微量なガスを生み出しているのが地球外微生物なのかどうかを、無人探査機で確かめようとしているのだ。 【画像】大気の調査を行うVERVE金星探査計画 この探査計画「VERVE (the Venus Explorer for Reduced Vapours in the Environment)」は、英ダラムで7月7日~11日に開かれた英国王立天文学会(RAS)の2025年全国天文学会議で発表された。VERVE計画を提案したのは、2020年に初めて金星大気中でホスフィン(リン化水素、PH3)を検出し、2023年にも再度検出に成功したのと同じ科学者チームだ。同チームはさらに2024年に金星大気中でアンモニア(NH3)を発見している。 VERVE計画が発表される一方で、トランプ政権が提示した予算削減案により、米航空宇宙局(NASA)の金星探査機ダヴィンチ(DAVINCI)が中止となる可能性がある。周回機と大気探査機で構成されるDAVINCIは2030年打ち上げ予定で、ホスフィンやアンモニアを検出できたかもしれない。 ■金星の生命:ホスフィンとアンモニア ホスフィンとアンモニアは、微生物の存在を示す兆候となる指標データ「バイオシグネチャー(生命存在指標)」である可能性がある。地球では、この2種類のガスは生物活動と産業過程によってしか生成されない。ホスフィンとアンモニアの発見は、金星の上層大気中に生命が存在する可能性に関する憶測を後押ししている。 金星で初めてホスフィンを検出した英カーディフ大学教授のジェーン・グリーブスは「われわれが収集した最新の観測データは、金星にアンモニアが存在するより多くの証拠を発見しており、金星の雲の生命存在可能な部分にアンモニアが存在する可能性を示している」として「アンモニアやホスフィンを生成するための既知の化学反応過程は存在しないため、これらの成因が何かを確実に知るための唯一の方法は、そこに行くことだ」と説明している。

Forbes JAPAN
*******
****************************************************************************
*******
****************************************************************************

関連記事: