27年前のPower Mac G3のROMからイースターエッグが発見される
1997年から1999年にかけて製造されたPowerMac G3にこれまで誰にも見つかってないであろうイースターエッグを発見したと、Linuxカーネルの開発貢献者でエンジニアのダグ・ブラウン氏が報告しています。
Downtown Doug Brown » Finding a 27-year-old easter egg in the Power Mac G3 ROM
https://www.downtowndougbrown.com/2025/06/finding-a-27-year-old-easter-egg-in-the-power-mac-g3-rom/ブラウン氏はある日、「ex Fiend」というツールでPowerMac G3のROMに保存されているリソースを調べていました。このROMは、1997年から1999年にかけて製造されたPower Mac G3のデスクトップタイプ・ミニタワータイプ・オールインワンタイプで使用されていたものでした。
そして、ブラウン氏はROMの中に以下の画像が眠っていたのを発見。映っているのは開発チームと思われる人々の集合写真で、この画像自体は2014年にデータが発見されていたものの、どういう方法で表示されるのかは不明でした。
さらに調査を進めたところ、ブラウン氏はPowerPCネイティブの(PDFファイル)SCSI Manager 4.3のコード末尾にあった「secret ROM image」や「The Team」といった、謎めいたPascal文字列に興味を抱きます。
これらの文字列がどのように使われているかを解明するため、ブラウン氏はコードを逆アセンブルし、Ghidraで解析したところ、特定の関数が「EDisk」というRAMディスクドライバを探し出していることがわかりました。そして、そのRAMディスクのボリューム名が「secret ROM image」であるかどうかをチェックし、もし一致すれば、HPOEリソース、すなわちチームの集合写真を読み込み、「The Team」という名前のJPEGファイルとしてそのボリュームに書き出すという処理を行っていることを突き止めました。
解析の結果、RAMディスクの名前を「secret ROM image」にすればよいことはわかりましたが、具体的な誘発方法は不明でした。そこでブラウン氏がオンラインチャットで発見を共有したところ、「alex」という名のユーザーがエミュレータで試行し、RAMディスクをフォーマットする際に「secret ROM image」という名称を入力することでイースターエッグが起動したと報告しました。 そこで、ブラウン氏が自身の実機で試したところ、「The Team」というファイルが「secret ROM image」というボリュームに書き出されていました。
この「The Team」をダブルクリックすると、以下のように画像が開かれました。
一度Appleを追放されたスティーブ・ジョブズが1997年にAppleに戻ってきた際、こうした「お遊び要素」を禁止したといわれており、ブラウン氏はこのイースターエッグは最後の1つなのではないかと推測。「果たしてジョブズはこのイースターエッグを知っていたのでしょうか」と思いを巡らせています。また、当時のAppleの従業員で、このイースターエッグの詳細を知っている人はぜひ連絡してほしいと述べました。
・関連記事 無料で日本語版Macintosh用OS「漢字Talk」をブラウザ上で体験できる「kanjitalk7.app」 - GIGAZINE
UNIXのmanコマンドに6年間誰にも気付かれずに眠っていたイースターエッグとは? - GIGAZINE
フォント名でググると検索結果がそのフォントで表示されるイースターエッグがGoogleに実装されている - GIGAZINE