米国債、週間で4月以来の大幅上昇へ-強い入札やインフレ抑制追い風
- 中東情勢の激化、「短期的にドルや米国債の需要支える」-BBH
- 長期的には財政見通しがなお相場の重しとなる可能性高いとの声も
米国債相場は週間ベースで4月以来の大幅高となりそうだ。堅調な入札結果やインフレ鈍化の兆しが背景にある。
米2年-30年債の利回りは週間で2カ月ぶりの大幅低下となる見通し。13日には中東情勢が緊迫化する中、安全資産への逃避の動きが強まり、2年債利回りは一時6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下げた。ただその後は、下げを埋める展開となっている。
米国債市場は、ここ数週間にわたって政府支出への懸念や堅調な経済が米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ余地を狭めるとの不安が続いた後、ようやく落ち着きを取り戻しつつある。12日に実施された30年債の入札では旺盛な需要が見られ、11日に発表された5月の米消費者物価指数(CPI)はインフレが抑制されていることを示唆した。
INGグループのシニア金利ストラテジスト、ベンジャミン・シュローダー氏は「米国債市場では戦術的に強気な展開が続いている」と指摘。ただし、長期的には財政見通しが依然として市場への重しとなる可能性が高いとし、「強気相場が続くうちにこれを満喫するべきだ」と付け加えた。
市場では米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測が強まっており、年末までの引き下げ幅を50bpと織り込んでいる。週初時点では約45bpと見込まれていた。
ブルームバーグ・ドル・スポット指数は13日の市場で上昇し、前日に付けた2022年4月以来の安値水準から反発。ドルは主要10通貨に対してほぼ全面高となっている。
ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(BBH)のストラテジスト、エリアス・ハダッド氏は「中東で軍事情勢が激化しており、短期的にはドルと米国債への買い需要を支えるだろう」と話した。
原題:Treasuries Set for Best Week Since April as Auctions Allay Angst(抜粋)