恐怖! 一方通行のはずの「高速道路」なぜ逆走車が現れる? 逆走だけなら反則金"たった9000円"!? 反対車線を走ってしまった時にやってはいけない"NG行為"とは?
- 2025.05.24
- くるまのニュースライター 金田ケイスケ
たびたび大きな死亡事故が発生するなど、改めて逆走車の危険性が指摘されています。なぜ逆走が起きてしまうのか、自分が逆走してしまったり、逆走を見かけた場合はどう対処すべきなのでしょうか。
「逆走車」は追い越し車線を走ってくるのナゼ?
2025年4月26日午後10時頃、栃木県の東北自動車道で逆走車による正面衝突事故が発生し、双方の運転手が死亡しました。
さらに5月18日には、三重県の新名神高速道路で乗用車が逆走し、避けようとしたクルマなど4人がけがをした事故が発生。改めて「逆走」の危険性を認識することになりました。
一般道でうっかり標識を見落としてしまい、逆走するというのは起こりうる話かもしれませんが、出入り口がしっかりあって、一方通行であるはずの高速道路においても、逆走が後を絶ちません。
高速道路で逆走したドライバーの約7割が65歳以上の高齢ドライバーとなっており、高齢化社会が逆走車の増加に少なからず影響しているようです。
元教習指導員のI氏に聞いてみました。
「高齢者の事故が増加しているのは、運転能力や認知機能が低下したドライバーが増加したのは残念ながら事実でしょう。
しかも長年運転してきた経験があるため、自分の能力低下を認めない傾向があるようです。
教習指導員時代に高齢者教習も何度か指導しましたが、やはり『認知・判断・操作』が遅れても懲りていないドライバーは多かったです」
そのうえでI氏が指摘するのは、ナビゲーション使用の弊害という側面です。ナビのルート案内を信用し、実際の道路状況を把握せずに進行してしまい、逆走に至ることもあるそうです。
この場合、しっかり道路標識を認識できれば進行不可も把握できるはずですが、目的の出口を過ぎてしまったり、ジャンクションなどで間違った方向に進んでしまったなど、ミスに気がつくと慌ててしまい、強引にリカバリーしようと逆走してしまうケースは、年齢に関係なく起こりやすいとも言えます。
また、高速道路に特有な、複雑で混同しやすい道路構造も原因として想定されるとも指摘されており、実際、高速道路(自動車専用の有料道路を含む)での逆走事例の約6割がインターチェンジやジャンクションで発生しています。
では誤って逆走してしまった場合は、どうするべきなのでしょうか。
「自分が逆走していることに気がついたら、すぐに安全な場所に停車すべきです。その場合(逆走しているので)右端の路肩にハザードを点灯させて停車し、すぐにスマホで警察なり運営会社への通報してください。
ここで注意したいのは、無理にUターンなどせず、間違った向きのままでもすぐに停車することです。安全に停車できたら車両から離れ、ガードレールの外側に避難することで二次被害を防ぐ行動も重要です」(元教習指導員 I氏)
NEXCO3社では、通常の標識に加えて「路面に矢印表示」「注意喚起の看板設置」「誤進入を防ぐラバーポール設置」などで逆走車対策を実施しています。
しかし、高速道路の出口から進入してしまったり、SA/PAの本線合流方向を間違えて入口方向に逆走したり、料金所周辺でUターンしてしまうなどの事案は無くなっていないようです。
では逆走車を見かけた場合の有効な対処法はどのようなものがあるのでしょうか。
NEXCOのウェブサイトでは、「前走車と十分な車間距離を取ること」「見かけたら同乗者が、もしくは安全な場所に停車してすぐに警察や管理会社に通報」が推奨されています。
ちなみに、元教習指導員のI氏いわく、逆走車のドライバーは自分が逆走していることを認識しておらず、自分は左側の走行車線と思い込んで走行するため、追い越し車線を走行する逆走車が多いとのこと。
そのため、できる限り左側の車線を走行し、追い越し車線を走っていても、追い越しが完了したら速やかに走行車線に戻ることが、自己防衛策になるだろうと言います。
※ ※ ※
逆走しただけであれば「通行区分違反」となり、違反点数2点、反則金9000円(普通車)が科されるだけですが、逆走が原因で事故を起こしてしまうと「自動車運転過失致死傷罪」となり、7年以下の懲役または罰金と桁違いの処罰が処されます。
くれぐれも自分が逆走しないように、標識の向きや見落としがないか注意しつつ、安全なドライブを心がけましょう。
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