高田馬場の読み方のわからない店で、食べ方のわからないものを間違って食べたかも…

本場中国の料理を日本でも食べられるお店、いわゆる「ガチ中華」は以前にも増して広く浸透しつつある。とくに2017~18年頃から都内でもお店が急増し、すでに珍しくなくなった感もある。

とはいえ中国は広く、料理の種類もジャンルも多岐にわたる。どれだけ日本に浸透したとしても、その全部を把握することは難しい。まして在日中国人をメインの客層に据えた店では、日本語表記がなくメニューを見ても食べ方がわからないものも少なくないのだ。

最近、東京・高田馬場に訪ねたところ、メニューはおろか店名すら読み方がわからず、提供された料理の食べ方さえも間違ったかもしれないという経験をした。アレはそのまま食べるだけじゃなかったのか……。

・読み方がわからない

なぜそのお店に行くことになったかというと、ふと、数年前に訪ねた東京・銀座の「カルネステーション銀座本店」を思い出したからだ。すでに閉店したそのお店は、2019年当時、税別980円で60分焼肉食べ放題を実施していた。

用意されていた肉の種類と量がハンパではなく、肉屋のごとくショーケースに肉がドドーン! と陳列されていたのである。

中国人のインバウンド客をメインに営業を行っていたのだが、コロナで客足が途絶えて閉店し、後に「銀座八芳」という焼肉 & 和洋中の高級ビュッフェに業態変更している。

いずれは行きたいとは思っているのだが、120分食べ飲み(アルコール)放題で税込1万2000円と大幅に値上がりしているため、なかなか行きにくいのだ。

運営元の「FANG DREAM COMPANY」のサイトを見ていたところ、複数のブランドを運営しており、昼営業もあって価格的にも行きやすそうなお店があると判明。そこに行こう! と思ったけど……なんて読むの?

そのお店「犟骨头」は「ジャングゥトゥ」というらしい。読み方はわかったけど、どんな料理を出しているのかわからないので、とりあえず行って確認しよう。それが1番わかり易い。

・食べ方もわかってなかった

ということで、JR高田馬場駅から約5分のところにあるお店にやってきました。看板に「超級排骨飯」(SUPER RIBS RICE)とあるので、排骨(パイコー)のお店らしい。

生成AIの「GEMINI」に犟骨头の意味を尋ねると「骨太料理」のようなニュアンスとのことなので、やはり排骨メインのお店の中華料理店と見て間違いないだろう。

看板のメニューを見るとここにも日本語の表記はない。う~ん……写真で想像するしかないか。値段は一般的な中華料理店とそれほど変わらないだろうか。

店内にはたぶん日本語メニューもあるだろう……と、思ったが甘かった。タブレット端末を見ると日本語がない。言語の変更もできない(オーダー後にできると気づきました……)。やっぱり写真で予想するしかないな~。

ページをめくっていくと中華バーガー「ロージャーモー」発見。これでもいいかなあ。練乳付きの揚げパンも良さそうだな。でも、排骨がメインならそれを食っておくべきだよなあ。

排骨はどれがいいんだろうか? 写真を手掛かりに考えた結果、「爆款犟骨头套餐」(税込1050円)ってヤツを頼んだ。これまた後にGEMINIに翻訳してもらうと「大人気特製骨付き肉定食」といったニュアンスのメニューとのこと。

ご飯とスープ、漬物2品に排骨がついている。このボリュームで1050円なら意外と安いかも。

それにしてもすごいボリュームだな。骨が山積み! スペアリブなので可食部分は少ないかもしれないけど、見た目の迫力はなかなかだ。

これを手づかみで食べるらしいんだけど、さすがに素手ではないよなあ。卓上にビニール手袋は見当たらないんだが、ひょっとしてコレかな?

中身を取り出して広げてみると……手袋になった! 今のビニール手袋ってこんなにちっちゃくなってるんだね。かさばらないし、場所をとらないので飲食店では重宝しそう。

で、さっそく食べてみましょう。手づかみでかぶりつくと、八角などの香辛料が効いており、味付けはかなり濃い。白ご飯との相性は良いし、酒のツマミにも良さそうだ。モリモリと食らいつきたいけど、いかんせん身が少ないので、ガッツリと喰らえないのがもどかしい。

肉を食べているはずなんだけど、骨を折って肉をほじくり出す様はカニを食べているようだ。肉付きは個体によってムラがあり、たっぷり肉がある部分があるかと思えば、ほじりようがないほど肉付きが薄い部分もある。

そんなわけで、カニを食べるのと同じくらいの時間と労力を要する。だがその分、食い甲斐のあるポジションを発掘すると、気分が上がる。これは排骨の宝探しや~!

骨を折って肉をほじり出して、かぶりつく。そんなことを繰り返しているうちに、お腹がいっぱいになっていた。大変満足な食事だったのだが、帰り際に柱の貼り紙を見て、食べ方がやや正しくないことに気づいた

ほじり出した肉をご飯にのせて、丼ぶりにして食べるのが正解だったらしい。絶対そっちの方が美味かった。ご飯との相性はバッチリだから、そのままで食うよりご飯と食った方が美味いに決まってるもの。そういう大事なことは、タブレット端末のメニューの項目にも入れておいてほしかった……。

お店に行ってみようとお考えの方は、ほじった肉を必ずご飯に乗せるように。その方がより満足度の高い食事になるぞ!

・今回訪問した店舗の情報

店名 犟骨头(ジャングゥトゥ) 住所 東京都新宿区高田馬場1-17-15 羽深ビル 1F 時間 11:00~23:00

参考リンク:FANG DREAM COMPANY 執筆:佐藤英典

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