「でっちあげ」は怖くない、綾野剛「まだ体感したことのない1秒に出会いに来て」(イベントレポート / 写真15枚)

映画「でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男」の初日舞台挨拶が本日6月27日に東京のユナイテッド・シネマ豊洲で行われ、キャストの綾野剛柴咲コウ亀梨和也、監督の三池崇史が登壇した。

福田ますみのルポルタージュ「でっちあげ 福岡『殺人教師』事件の真相」をもとにした本作。児童への体罰で告発された小学校教諭・薮下誠一が、法廷で「すべて事実無根の“でっちあげ”」と完全否認することから物語が展開していく。薮下を綾野が演じ、体罰を受けたとされる児童の母・律子に柴咲、薮下を追う記者・鳴海に亀梨が扮した。

綾野・柴咲・亀梨の3人は、客席後方から登場し観客を沸かせる。ひと足先に本作を鑑賞した窪田正孝、佐藤二朗、白石和彌、藤井道人ら著名人から絶賛の声が上がる一方で、「気になっているけれど怖そう」「つらそうで観るのを迷う」といった一般の声も多い。綾野は「この映画は登場人物それぞれが生きている1秒が違う。1秒が長く感じる人もいれば、短く感じる人もいる。129分の中にいろんな1秒を体感できると思います。それって映画の醍醐味ですよね。まだ体感したことのない1秒に出会いに来ていただけたら。129分後、新たな発見があると思います。決して怖い作品ではありません」とメッセージを送る。

柴咲は「事実とはなんなのか。ある事象の側面しか見ていないのに、『きっとこうだろう』と決め付けてしまうことは私にもあります。何を根拠に情報を判断しているのか。それを突き付けられる映画になっています」、亀梨は「剛くんもおっしゃっていましたが、まずはこの作品と出会っていただきたい。人間としての強さ、弱さが描かれている。きっと何かがクリアになると思います」と続ける。三池は「普通に暮らしている人間がちょっとしたボタンの掛け違いで被害者になったり、知らないうちに加害者になったりする。それが当事者にどんな影響をもたらすのか。そういう点では怖い作品と言えるかもしれません」と語った。

また綾野は「このサイズ(映画館のスクリーン)でコウさん演じる律子の“凍る目”を見たいですね」と期待を込める。柴咲は「律子の目の奥を見てください」「全然怖くないですよ?」と笑みを浮かべた。

最後に綾野は「誠実な気持ちで観なければいけないと思われがちですが、この映画で起こることをただ楽しんでもらえたら。正しく観る必要は、僕はないと思います。楽しめば楽しむほど、最後に自分の中でいろんな答え合わせができるはず。そうして作品を育ててくださる皆さんは“最大の共演者”です」と述べた。

「でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男」は、全国で上映中。

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