都議選江東区の2連ポスターは宣伝か否か 自民と立民、衆院議員らが「場外」バトル
東京都議選(22日投開票)の江東区選挙区のポスター掲示板にある立憲民主党の候補者のポスターが、インターネット上で物議を醸している。候補者に隣り合うように地元選出の女性衆院議員の顔写真がほぼ同じ大きさで掲載されていることを、自民党の衆院議員、大空幸星(こうき)氏=比例東京=が問題視。自らのX(旧ツイッター)で都議選を使った宣伝行為だと批判した。これに対し、立民側は所属する衆院議員らが「問題ない」と相次いで応戦。都議選という舞台の「場外」で、衆院議員らがバトルを繰り広げている。
問題とされたポスターには、江東区選挙区の女性候補と並んで、女性が秘書を務めた地元選出の衆院議員、酒井菜摘氏=東京15区=の顔写真が掲載されている。
大空氏は14日、Xで「公費で賄われる公営掲示板ポスターやチラシに自分の顔写真を候補者と同じ大きさで掲出」しているとして、「他の選挙を利用して自らの宣伝を堂々と行うという、信じられない行為が行われています」と指摘した。
さらに「誰が候補者で、誰のための選挙を行なっているのか分からないとの混乱の声も次々と有権者から寄せられている」「選挙の趣旨を逸脱し、有権者を愚弄する選挙ハックを許していいのか。今回の件を踏まえ、国会でも問題提起したいと思います」と投稿した。
これに立民関係者は反発。同党の衆院議員で弁護士の米山隆一氏=新潟4区=はXに「衆議院議員の秘書だった事を知名度の足りない自らの宣伝に使うこのポスターは何の問題もなく、謂(いわ)れなき難癖と言って過言でありません」と投稿した。同じく弁護士で衆院議員の松尾明弘氏=東京7区、昨年の都知事選で落選した同党の元参院議員、蓮舫氏らも相次いで疑義や反論を投稿した。
行司役の総務省選挙課は「個別の事案は答えられない」と前置きしたうえで、一般的なケースとして、ポスターに本人以外の顔写真を掲載をすることについては「誰を載せるかは制限されない」と問題にしなかった。
ただ、他の選挙を宣伝するような文章や表現が含まれた場合は「公職選挙法に抵触する可能性が出てくる」と説明した。
江東区の選挙では、酒井氏が昨年4月の衆院東京15区補欠選挙で初当選し、同10月の衆院選で再選した。大空氏は選挙区で酒井氏に敗れ、比例東京ブロックで初当選した。
選挙ポスターを巡っては、昨年7月の東京都知事選で、表現の自由を訴える男性候補が、全裸に近い女性をモデルにしたポスターを掲示。また、候補を大量に擁立した政治団体が掲示スペースを占拠、事実上販売して候補と無関係の同一内容のポスターが大量に貼られるなどの事例が相次いだ。これを受けて、品位を損なう内容の記載を禁止する改正公職選挙法が今年3月、国会で可決・成立している。
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【江東区】(4-8)
大つきかおり 58 共新
千葉さきえ 45 立新
さんのへあや 36 無現
高橋たくみ 26 国新
白戸太朗 58 都現
細田いさむ 64 公現
やまざき一輝 52 無元
小林ゆか 53 無新
(選管届け出に基づく)