トランプ大統領、当面は減税法案の可決に注力-26日にイベント開催へ

Nancy Cook、Kate Sullivan

  • 共和党、同法案の成否が中間選挙の結果を左右すると認識
  • 関税で萎縮する企業に投資を促し、家計の経済不安緩和を狙う

トランプ米大統領は、足元で多くの時間を割いてきた外交問題から焦点をシフトさせ、看板政策に掲げる大型減税法案の可決に注力する構えだ。共和党は同法案の成否が中間選挙の結果を左右するとみている。 

  トランプ氏はここ数日、イスラエルとイランの衝突、カナダでの主要7カ国(G7)首脳会議(サミット)、オランダでの北大西洋条約機構(NATO)サミットと、外交問題への対応に当たってきた。だが、法案可決の期限とする7月4日が近づく中、法案の内容を巡り意見がなお対立する共和党議員らを説得し、合意を迫ることを優先する方針だ。

  大統領の側近らは、トランプ氏の経済政策の多くがこの大型減税法案の成否にかかっていることを十分に認識している。法案の成立に導けば、家計の経済不安を和らげるとともに、関税引き上げで支出を控えている企業に対し新たな設備投資を促すとの見方が背景にある。

  利下げに慎重姿勢を崩さない米連邦準備制度理事会(FRB)に対してトランプ氏がいら立ちを募らせるなか、同法案は経済重視の姿勢を示す最大の機会になると、政権関係者はみている。同法案は議会による対応がなければ年末に発動される予定の増税を回避するもので、チップや残業手当、自動車購入、高齢者向けの税優遇措置も含まれる。

  トランプ政権は26日午後にホワイトハウスでイベントを開き、法案の内容をアピールする予定。当局者によると、イベントには減税を歓迎するトラック運転手や消防士、接客業従事者ら中間層の労働者が登場する。

  一方、民主党はトランプ氏が「一つの大きな美しい法案」と称する同法案を富裕層と企業への贈り物と位置づけるとともに、減税の原資のためにメディケイド(低所得者向け医療保険制度)の給付金が削減されるとして強く批判している。

  現時点では、民主党のメッセージの方がより響いているようだ。米ピュー・リサーチ・センターの直近の世論調査によると、法案に反対する国民は49%と、賛成の29%を大きく上回っている。21%は判断を保留している。

原題:Trump Pivots to Tax Cuts to Combat Voters’ Economic Anxiety(抜粋)

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