麻生太郎最高顧問との食事の約束をソデにされた高市早苗氏 小泉、高市の各陣営で“異変”が

 小泉氏は各社の世論調査で頭一つ抜けた存在である。13〜14日に実施された読売新聞の調査でも、「次の自民党総裁に誰がふさわしいと思うか」との質問に高市前経済安保相の29%に次いで、小泉氏は25%を獲得。しかし実際に結果を左右する党員により近い、自民党支持層に限ると高市氏の28%を上回り、小泉氏が33%でトップに立つ。  もっとも、小泉氏は昨年の総裁選で当初こそ人気で先行したものの中盤で失速。最終的には3位に沈んだ。前回、小泉氏が失速したのは政策面の問題に加え、さまざまな理由があったと政治ジャーナリストの青山和弘氏が指摘する。 「陣営の中からは、小泉氏の討論会での発言・振る舞いを心配する声が上がっています。陣営は公務などを理由に、なるべく討論会の回数を抑えたい考えです。とはいえ、逃げているように見られると、逆にマイナスになる恐れがあります」  ほかにはこんな声も。 「小泉氏は党三役や重量級閣僚の経験がない。あるのは環境相と農水相という軽量級閣僚および選挙対策委員長の経験だけです。安全保障環境が不安定化し、米国のトランプ大統領とも向き合わねばならない中、経験の浅い小泉氏に日本のかじ取りを任せられるのか。不安視する向きは根強い」(自民党関係者)

 そんな小泉氏と人気を二分するのが高市氏である。高市選対の事務局長・黄川田仁志衆議院議員(54)が言う。 「小泉先生からは前回の総裁選から今に至るまで、ご自身の目指す国家観を聞いたことはありません。今の自民党はリベラル色が強いイメージを持たれていますけど、あらためて、しっかりとした保守政党であるとお示しせねばなりません。そのための政策を実行するためには、高市先生が一番良いのではないか」  高市氏は前回、党員票で石破茂首相(68)の108票をしのぐ109票を集めており、小泉氏の61票を大きく引き離した。彼女が1回目で首位に立つことができたのは、党員票の強さゆえだ。 「最大のネックは議員票です。高市氏は前回の総裁選でも推薦人20名の確保に苦労しましたが、そのうち9名は今回、落選や不出馬で不在となっています。前回、小泉氏の75票に次ぐ72票を獲得できたのは、麻生派が票を回したためでした。しかし今回は麻生太郎最高顧問(84)が高市氏を見限ったとされ、議員票の上積みはほとんど期待できない状況です」(政治部デスク)  この点、先の黄川田氏は、「30名余りの仲間と声をかけ合って、支持を増やしていきたい」  と、意気込む。一方、西田昌司参議院議員(66)はこんな話を披露する。 「高市さんには“麻生さんにしっかりと支持をもらうことが大事です。会いに行くべきです”と言っています。一度、食事の約束をしていたそうですが、先方の都合で流れてしまったので、もう一度設定し直すそうです。しっかりと麻生さんと意思形成を共有し、応援してもらうようお願いしなければなりません。高市さんは“分かりました”と言っていました」  9月18日発売の「週刊新潮」では、両陣営に起きているという数々の“異変”を紹介しながら、総裁選レースの行方について詳しく報じる。 「週刊新潮」2025年9月25日号 掲載

新潮社

関連記事: