“詐欺撲滅”YouTuber「KENZO 新宿109」池田実貴容疑者(28)逮捕…「動画がなかったら生きていたかも」死亡男性の母親が涙の訴え【news23】
登録者100万人を超え、「詐欺撲滅」を掲げるYouTuberの男が名誉毀損の疑いで逮捕されました。動画内で中傷され、自ら命を絶った男性。母親は「息子のような子をもう作らないでほしい」と訴えました。
■「『僕の職業は詐欺師です』って言ってみ」 事件のいきさつは?登録者数100万人超え。詐欺や悪質マルチ商法などを糾弾するYouTuber「KENZO【新宿109】」。そのYouTuber、本名・池田実貴容疑者(28)が名誉毀損の疑いで逮捕されました。池田容疑者は2025年6月、京都市にある不動産会社の代表だった中野拓磨さんを誹謗中傷する動画を投稿し、名誉を傷つけた疑いが持たれています。動画が公開されたあと、中野さんは36歳の若さで自ら命を絶ちました。母・さえ子さんは…亡くなった拓磨さんの母・中野さえ子さん(73)「動画の中の姿だけで息子の人柄まで痛めつけられ、誹謗中傷されることが、母親としてどれだけ悔しかったか」また、事件をめぐっては、中野さんから現金30億円を脅し取ろうとした疑いで、岡山市の会社役員・赤木誠容疑者(46)ら2人も逮捕されました。いきさつはこうです。訴状によると、中野さんは2023年、自らの会社の株式を赤木容疑者らに譲渡したといいます。しかし、その後…拓磨さんの母・中野さえ子さん「昨年(2025年)の春ごろから理由もなく、(赤木容疑者らから)息子に騙されたなどと言われるようになり、自分が言えば警察が動くとか、刑務所に入れるぞとか脅されました」脅迫をうけた際の電話音声が残っています。赤木容疑者「『僕の職業は詐欺師です』って言ってみ。言えよ、さっさと」中野拓磨さん「いや、それは言えないです」赤木容疑者「いや、俺が『言え』と言ったことはすぐに言えよ。『僕の職業は詐欺師です』って今すぐ言え」中野拓磨さん「僕の職業は詐欺師です」赤木容疑者「そうやって言えよ。言われたら全部やるんだよ。お前の生きるも死ぬも全部俺のさじ加減じゃ、この野郎。お前が生き残る術って、俺の逆鱗に触れん以外ねえんで」
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■話し合い中にYouTuberが現れ…土下座の様子を撮影かまた、中野さんと赤木容疑者らの話し合いの中に突如、YouTuberの池田容疑者が現れ、無断で動画を撮影されたといいます。池田容疑者は2025年6月、YouTubeに「巨額な資金を略奪した特別背任容疑の会社役員に突撃してみた!」という動画を投稿。遺族によると動画には、中野さんが土下座をしている様子なども映っており、詐欺を働いたかのような説明がなされていました。調べに対し、池田容疑者は「弁護士と会ってから話す」とし、赤木容疑者は「言ったことは間違いないが、お金を取る目的ではなかった」と容疑を一部否認しています。拓磨さんの母・中野さえ子さん「あの動画がなかったら、まだ拓磨は生きてたかもしれない。画面を見て面白おかしく笑う人、あなたが同じ立場に立ったらどういう思いをするの?って、自分の立場だと思って考えてほしい」「脅迫や恐喝の手段としてYouTubeを利用し、それによって人が追い詰められ命を失う。こうしたことはもう拓磨の言うとおり、拓磨で最後にしてください。拓磨のような子を、私みたいな親を、もう作らないでください」■過激な投稿で“稼ぎ” 「アテンションエコノミー」の功罪とは小川彩佳キャスター:動画の中で追及された方が命を絶つというところにまで発展してしまったわけですけれども。私的な制裁を加えるなど、過激な動画や投稿がこうして広がっていく背景には、注目を集めるほど収益につながる「アテンションエコノミー」のひずみがあると、Podcastプロデューサーの野村高文さんは指摘していらっしゃいます。Podcastプロデューサー 野村高文さん:
はい。特に動画プラットフォームやSNSがそうなのですが、今ネット空間は、注目を集めて再生数を稼ぐと直接的に収益につながる仕組みができています。情報の正しさよりも、どれだけ目立つかが優先される構造になっています。
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もちろん間違ったことを言うと、たとえば刑事罰の対象になるほか、訴訟リスクなどもありますが、その収益が結構大きいため、リスクを踏んででも儲かってしまうという構造があることが、かなり問題だと思っています。今回逮捕された容疑者のYouTuberは私的制裁、いわゆる“私人逮捕系”といわれるジャンルだと思うのですが、視聴者の溜飲が下がるようなコンテンツを作っています。ただ、対象になった方が実際に悪いことをしたかどうかが二の次になっており、その構図自体が今回の事件を生み出したのではないかと思っています。藤森祥平キャスター:総務省が運営を支援している違法・有害情報相談センターには、この3年間で見ても、ネット上の誹謗中傷などをめぐっての相談が毎年6000件を超えて寄せられています。もちろん、相談されていないケースもたくさんあるでしょうから、見えていない部分はもっとあるのではないかと思います。Podcastプロデューサー 野村高文さん:本当に数字が伸びてしまっているというところで、個別の動画を対策するだけでは、なかなか解決が難しいと思っています。過激なコンテンツで注意を引きつけることが収益になるという場をプラットフォームが提供しているので、それは社会的に許されないという共通認識を作ることが大事ではないでしょうか。たとえば、企業側も広告を出さないようにする。あとは見る側も、こういったコンテンツにはすごく目がいきますが、本当に面白がって消費していいのか、改めて心に問い直す必要があるのではないかと思います。藤森祥平キャスター:少しずつ意識を変えていくところからですね。==========<プロフィール>野村高文PodcastプロデューサーPodcast制作会社の代表 経営者への取材多数
外資系ファームでコンサルタントの経験も