消し忘れていた“たった1つのアカウント”が原因だった…サイバー攻撃の被害に遭った会社が明かす 要求された身代金は約300億円
CBCテレビ
過去にサイバー攻撃に遭った岐阜県のメーカー。なぜセキュリティーの壁を突破されたのか、その原因とは?
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サイバー攻撃の被害に遭ったのは、岐阜県中津川市の自動車部品メーカー「美濃工業」です。異変が発覚したのは、2025年10月のとある土曜日の午前2時半頃のことでした。アメリカの企業に出向していた社員が社内のサーバーにアクセスしたところ、目的のデータが見当たらず見慣れない「脅迫文書」を発見したのです。(美濃工業 情報管理課 近藤英之課長)「これを見て『あ、やられた』と。真っ青になった」設計図面や品質データなどの製造情報や、取引先への支払い・給与データに至るまで、軒並み暗号化されて開けなくなっていたといいます。■要求された身代金は約300億円そして、データ復元のためにハッカー集団から要求された身代金は、日本円で約300億円。(美濃工業 情報管理課 近藤英之課長)「社長は最初から『犯罪者集団と交渉するつもりはない』と。(身代金を)払ったところで、暗号化したものが直る保証もないし、また他の会社が狙われることになるので、支払わないのは正しい判断だったかなと思う」土曜日に発覚し、2日後の月曜日に製品の出荷は再開できましたが、会社は初期対応だけで約2000万円の被害が出ました。一度セキュリティーを壊されると、システムの再構築には時間がかかります。1年たった現在も作業は続いていて、被害額は今後、さらに膨らむ見込みだということです。■原因は…「消し忘れていた、たった1つのアカウント」セキュリティーの壁を突破された原因は、何だったのでしょうか?(美濃工業 杉本崇社長)「IDの数が足りなかったので急きょ作った。一時的なので簡易的なパスワードにしてしまおうという油断。抹消手続きをせずに残してしまった。『ゾンビアカウント』になってしまった」被害の発端は消し忘れていた、たった1つのアカウントだったのです。バックアップを使ってデータはほぼ復旧できたといいますが、こうした非常事態に対応するためのマニュアルもサイバー攻撃の被害に遭っていたのです。(美濃工業 杉本崇社長)「マニュアルがサーバーの中に保管されていたので、暗号化されて手元にない状態になっていました。やっぱり紙で保管すべき」