世界にも波及?「国宝」現象を引き起こした吉沢亮&横浜流星...朝ドラ「ばけばけ」&大河「べらぼう」にも表れた鮮烈な存在感

「国宝」(C)吉田修一/朝日新聞出版 (C)2025映画「国宝」製作委員会

公開から約6ヶ月が経ってもその勢いが衰えない映画「国宝」。異例のロングラン上映が続き、2025年を象徴する大ヒット作となった。

吉田修一の同名小説を李相日監督が吉沢亮主演で映画化し、歌舞伎の世界でライバルと高め合いながら、やがて"国宝"と言われるまでになる天才の激動の半生を重厚に描いた本作は、今なお話題を振りまいている。

■「国宝」吉沢×横浜のコラム記事はこちら

吉沢亮と横浜流星が厳しい歌舞伎の世界に生きる人々を演じた「国宝」

(C)吉田修一/朝日新聞出版 (C)2025映画「国宝」製作委員会

■歴代実写邦画興収No.1!「国宝」が巻き起こした社会的現象

SNSでの口コミなど高評価に後押しされる形で、公開から6週連続で右肩上がりに興行収入を伸ばし、8月には公開11週目にして実写邦画として22年ぶりに100億円の大台を突破。

そして公開172日目となる11月24日には「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」(2003年)の173億5000万円を上回る173億7000万円を記録。約3時間という長尺映画ながら、歴代実写邦画のナンバーワンに輝く快挙を達成した。

「国宝」

(C)吉田修一/朝日新聞出版 (C)2025映画「国宝」製作委員会

また、第98回アカデミー賞の国際長編映画賞の日本代表にも決定し、ノミネート入りへの期待が高まる中、来年の北米上映に先駆けハリウッドとニューヨークでは先行限定上映も実施。このタイミングで現地を訪れた李監督と主演の吉沢が、舞台挨拶では大歓声で迎え入れられるなど、その熱狂は国を跨ぐほど。

影響力は映画業界だけにとどまらず、「国宝(観た)」という言葉が新語・流行語大賞にトップテン入りするなど、まさに"社会現象"と言って過言ではないほどの盛り上がりを見せている。

「国宝」

(C)吉田修一/朝日新聞出版 (C)2025映画「国宝」製作委員会

■表裏一体の男たちの複雑なライバル関係を体現した吉沢亮と横浜流星の熱演

このムーブメントの中心にいるのが、吉沢亮と横浜流星だ。

吉沢が演じたのは、父親を亡くしたことをきっかけに歌舞伎の家に引き取られ、稀代の女形として頭角を現しながらも血筋に立ち塞がれる主人公・喜久雄。天才ならではの孤独や家柄を重んじる伝統芸能の世界で抱える苦悩を体現した。

「国宝」

(C)吉田修一/朝日新聞出版 (C)2025映画「国宝」製作委員会

「国宝」

(C)吉田修一/朝日新聞出版 (C)2025映画「国宝」製作委員会

一方の横浜は、偉大な父を持つ歌舞伎の名家に生まれ、将来が約束されながらも、圧倒的なライバルや重圧を前に歌舞伎の世界から逃げ出してしまう、人間味のあるキャラクター・俊介をエモーショナルに表現した。

共に長い時間を費やして歌舞伎の所作を学び挑んだ「二人道成寺」などの歌舞伎シーンも説得力をもって演じたほか、親友としてライバルとして切磋琢磨していたものの、次第に確執を抱き、そして理解し合っていく表裏一体の関係性など、見応えたっぷりの演技合戦を繰り広げた。

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