スマートフォンには大量の細菌が付着している、一体どうやって掃除すればいいのか?

サイエンス

現代人はスマートフォンを肌身離さず持っており、キッチンやリビング、公共交通機関だけでなくトイレの中でもスマートフォンを触っています。そのため、スマートフォンにはさまざまな細菌が付着しているとのことで、オーストラリア・セントラルクイーンズランド大学工学技術学部のミーナ・ジャー博士が、「スマートフォンにダメージを与えずに掃除する方法」について解説しました。

Your phone is covered in germs: a tech expert explains how to clean it without doing damage

https://theconversation.com/your-phone-is-covered-in-germs-a-tech-expert-explains-how-to-clean-it-without-doing-damage-259908

スマートフォンの表面を綿棒で拭いて微生物を調べると、数百種類もの細菌やウイルスが発見されるとのこと。画面には指紋や汚れが付着しやすいこともあって、見た目の面でも衛生面でも定期的に画面を拭く必要があります。 スマートフォンの表面に存在するすべての細菌やウイルスが病気を引き起こすわけではないものの、これらが感染するリスクは十分にあります。人々はトイレで触ったスマートフォンを口元に近づけたり、食事中も操作したり、人に渡したりしているため、潜在的な健康上の懸念からもスマートフォンを定期的に掃除することが推奨されています しかし、1日に何度も手を洗っている人でさえ、スマートフォンの掃除はほとんどしていないという場合もあります。また、「スマートフォンの掃除は家庭用洗剤を染み込ませた布や一般的な除菌シートでサッと拭くだけでOK」と思う人もいるかもしれませんが、不適切なツールや方法を使用するとスマートフォンにダメージを与える可能性があるそうです。

ほとんどのスマートフォンには、指紋や汚れを防ぐ薄い膜である「はつ油層」のコーティングが施されています。アルコールやアセトン、アンモニア系クリーナーといった強力な化学薬品はこのコーティングを剥がし、画面に汚れが付きやすくなったり、タッチの反応が悪くなったりする可能性があるとのこと。 また、家庭でよく消毒剤として使われる「酢」も酸性度が高いため、アルミニウムやプラスチックの縁を腐食させるリスクがあります。漂白剤や過酸化水素水も消毒剤として効果的ですが、スマートフォンのような家電製品に使われている素材には刺激が強すぎるそうです。 そして、一般的な除菌シートはアルコール含有量がかなり高いため、繰り返し使用するとプラスチックを乾燥させ、もろくしてしまうとのこと。ジャー氏は、「つまりクリーナーがキッチンの作業台を消毒できるほど強力であれば、スマートフォンには強すぎる可能性があるということです」と述べています。

幸いなことに、スマートフォンを掃除するのは簡単でそれほど費用もかかりません。大手メーカーはスマートフォンを掃除する際のガイドラインを発表しており、それに従うだけでOKだとジャー氏は説明しています。具体的な掃除方法は以下の通りです。

ほとんどのテクノロジー企業は、スピーカーグリルや充電ポートといった繊細な部分を掃除するため、「70%のイソプロピルアルコールを含有したワイプ、柔らかいマイクロファイバークロス、ナイロン、ウマやヤギの毛でできた柔らかいブラシ」などで拭き取ることを推奨しています。なお、掃除する際はケーブル類を抜き、保護ケースやアクセサリーを外す必要があります。

長らく除菌シートの使用を推奨していなかったAppleも、2020年の新型コロナウイルスのパンデミックを受けて、「70%イソプロピルアルコールを含む除菌シート」あるいは「Cloroxの除菌シート」を使用してスクリーンを拭くことを推奨するように、ガイドラインを改定しました。

AppleがiPhoneを清潔に保つ方法を更新、一部の除菌シートの使用を推奨 - GIGAZINE

Samsungも同様のアドバイスをしており、ポートや開口部に直接当てるのを避けつつ、70%アルコール溶液で軽く湿らせたマイクロファイバークロスでスマートフォンを拭くことを推奨しています。 さらにジャー氏は、スマートフォンの掃除中に偶発的な損傷を防ぐため、以下のことを推奨しています。 ・液体をスマートフォンに直接吹きかけない。水分がポートや内部コンポーネントに浸透し、ショートや腐食を引き起こす可能性があるため。 ・防水モデルであってもスマートフォンをそのまま洗浄液に浸さない。水の浸入を防ぐシーリング材(ゴム製のガスケットや接着剤、ナノコーティング、シリコン層など)が劣化する危険があるため。 ・ペーパータオルやティッシュ、粗い布の使用は避ける。画面に傷が付いたり、糸くずで開口部が詰まったりする場合があるため。 ・あまり掃除しすぎない。スクリーンを拭きすぎたりこすりすぎたりすると保護コーティングが摩耗し、指紋や汚れ、傷などが付きやすくなるため。 ジャー氏は、スマートフォンをどれほどの頻度で掃除するべきという厳密なルールはないものの、一般的には1週間に1回程度の頻度で拭くのがオススメだと主張。また、公共交通機関や病院、ジム、トイレといった汚染リスクの高い場所へ定期的に持ち込む場合は、より頻繁に清掃する方がいいとのことです。

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