たまごっちヒットを支える「3つの理由」 30年たっても終わらないワケ

 「第3次ブームの2008年には、液晶がカラーになって、気持ち悪くなれば顔が青くなる、怒れば顔が赤くなるなど性格を反映しやすくなりました。さらに、映画化やテレビアニメ化の動きがあり、キャラクターの人気が急上昇しました」  さらには、2024年に第4次ブームが到来。平成レトロや平成女児ブームが追い風となり、玩具だけでなく、関連グッズも好調だ。現在の人気を牽引するのは、子どもの頃にたまごっちに触れていた20代女性と、初めて製品に触れる小学生女児だという。  約30年でいろいろなシリーズが生まれているが、最新モデルは2025年7月に発売した「Tamagotchi Paradise」(たまごっち パラダイス、6380円)だ。  初号機より一回り大きくなり、育てられるキャラクターは5000種類以上に及ぶ。右上のズームダイヤルを回すと、たまごっちの体の中に入って細胞まで見られる。さらに2台をつなげて通信させると、たまごっち同士を結婚させることもできる。  「色や大きさ、通信機能など変わった部分は多くありますが、この30年ずっと変えていない部分もあります。何より大事にしているのは、人間の本能に訴えるような『育成体験』です。例えば、ベビー期の約2時間はお世話が一段と大変で、すぐお腹が空いたり、病気になったりします。人間の赤ちゃんを育てるのに近い設計にしているんです」  意匠面では、「卵型」「四角い液晶」「3つのボタン」は今も健在だ。  「ボタンは『選択』『決定』『キャンセル』の3つで、直感的に遊べる仕様としています。たまごっちは生き物なので、現実社会と同じように時間が流れている。だから、一般的なゲームにある『一時停止ボタン』は、たまごっちにはないんです」  さらに、バンダイの社内で「トゲ」と呼ばれている、たまごっちならではの特徴も支持されている理由だと辻氏は言う。

 1つ目は、手書き風の「丸文字」だ。情報があふれる時代において、一つひとつ手作りしたような丸文字をロゴなどに使っていて、これが心に引っかかるポイントの一つになっているのではないかということだ。  2つ目は「うんち」を登場させていること。あえてうんちを見せるようなゲームがない中、たまごっちでは、うんちを掃除する仕組みを発売当初から採用している。  そして、3つ目は「死」を扱っていること。1996年当時、死をテーマにする玩具は、ほとんど見当たらなかった。そのため、お世話したペットが死ぬというストーリーが目新しく映ったようだ。一時期、「死ぬ」のではなく「家出する」設定にしたことがあるが、やはり“生き物らしさ”を大事にしようと、2016年に元に戻した。  そうしたトゲが、他の玩具とは異なる“たまごっちらしさ”を生み出し、ユーザーの心に刺さったとバンダイでは考えている。それに加え、ペットの「育成」という普遍的な体験設計を貫いてきたからこそ長く愛されているのではないか、と辻氏は話した。  ちなみに、たまごっちでは、ユーザーの利用データはほとんど取得していないそうだ。技術的には可能だが、価格が上がってしまうため、遊びやすさや買いやすさを優先している。新製品や新機能の開発は、ユーザーから届く問い合わせや意見、マーケティング調査を参考に行っているという。

ITmedia ビジネスオンライン
*******
****************************************************************************
*******
****************************************************************************

関連記事: