トランプ氏、富裕層増税「私自身構わない」が共和党には政治的リスク

Skylar Woodhouse

  • 「共和党はこれをやるべきではないだろう」とSNSに投稿
  • 大統領は下院議長に今週増税を提案、一貫性のない発言で議員ら困惑

トランプ米大統領は9日、共和党議員らが富裕層増税を推進しても自分自身は構わないと述べる一方、政治的には課題を抱えることになると党に警告した。大統領はこの日、下院税制委員会の委員長と会談を予定している。

  「共和党は恐らくこれをやるべきではないだろう。しかし私自身はそうなっても構わない」とトランプ氏はソーシャルメディアに投稿した。

  共和党が議会通過を目指してまとめようとしている経済パッケージについて、トランプ氏は富裕層の一部を対象とした増税を推奨している。同氏の発言に一貫性がないため、法案作成にあたる議員の足並みに影響を与えている。増税は昔からの共和党の基本方針に反し、税制法案の進展を一段と困難にしかねない。

  複数の関係者によれば、大統領は今週、ジョンソン下院議長への電話で年間所得250万ドル(約3億6300万円)以上の富裕層を対象に、新たな税率39.6%を設けるよう提案した。新税率案は500万ドル以上の所得がある夫婦も対象としている。

関連記事:トランプ米大統領、所得250万ドル以上の富裕層対象に増税求める (1)

  トランプ氏はソーシャルメディアへの投稿で「低・中間所得者層を助けるためなら、私や他の人々は『ほんのわずかな』増税を喜んで受け入れるが、問題は頭のおかしな急進左派の民主党が『私の唇を読め』と叫んで回ることだ」と発言。ジョージ・H・W・ブッシュ元大統領がかつて増税を否定した発言に言及した。

  議会関係者によれば、下院税制委員会のスミス委員長はこの日、トランプ大統領と会談し、大統領の優先事項を税制法案に盛り込む考えを伝える。

  第1次トランプ政権で導入された大規模な減税措置の延長や、トランプ氏が選挙戦で掲げた「チップ非課税」などの公約を果たすため、富裕層の増税は財源確保の難しさを緩和する手段になり得る。

原題:Trump Cautions GOP on Tax Hike for Rich, But He’s ‘OK’ With It(抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE

関連記事: