「パパ、パパ」と懐いていた娘が… 心理学者が説く「娘のトリセツ」

父と娘の関係性について語る目白大学名誉教授の小野寺敦子さん=東京都新宿区(朝日新聞)

 昔は娘があんなに「パパ、パパ」となついてくれたのに……。成長した娘との関係に悩む父親は、少なくないかもしれません。父親は娘とどのように接していけば、良い関係を築けるのか。家族心理学が専門で、書籍「パパのための娘トリセツ」(講談社)を監修した小野寺敦子・目白大学名誉教授に聞きました。

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 ――娘との関係に悩む父親は増えているのでしょうか? かつては父親が1人で家計を支えていることが多かったので、ある意味、家庭内での影響力が強かった。「厳格で強権的な父」というイメージですね。娘も怖くて口答えなどできなかったのでしょう。父親が守られていたのです。 「働く母親」が当たり前になったいま、父親の地位が相対的に低くなりました。 ――関係が難しくなることが多い思春期の娘には、どう接すれば。 第二次性徴が始まる小学校高学年ぐらいからは、娘へのボディータッチは控えてください。また、余計な一言は厳禁です。特に体形などに関することです。「最近、太ったんじゃないか?」「よく食べるね」などです。ほかにも「彼氏はいるのか?」「どんな友達とつき合っているんだ?」といった詮索(せんさく)する質問もNGです。 ――思春期の娘とは、あまり話さない方がいいのでしょうか? 娘さんが話してくれるなら、まずはよく話を聴いてください。説教したり昔の自慢話をしたりするのは、やめましょう。話すのが嫌になってしまいますから。 今はLINEなどの通信手段もありますから、面と向かって言わなくても「お父さんは心配しているんだよ」「毎日、勉強頑張っているね」などと伝えてみてください。 ――関係がこじれた父親は、どう対応すればいいのでしょう? まず「悪かった」と思うことがあれば、素直に謝ることです。「あのとき、あんなことをして(言って)悪かった」と。直接言うのでも、手紙に書くのでも、やりやすい方法で大丈夫です。会話がなくても、食卓を共にするだけでもいいと思います。 ――妻に関係を仲介してもらうにも、夫婦関係が良くなければできませんよね。 娘との良好な関係を保つためにも、夫婦関係は重要です。私の行った研究でも、「夫婦関係が良好」と感じる娘は、父親に対して魅力を感じる傾向があることが、わかっています。夫婦関係が良ければ、娘に対しても夫の愚痴ではなく、良い点を伝えるようになりますから。 ――娘との関係に悩む父親へアドバイスは。 自分の弱みを出す、ということでしょうか。「仕事でこんな失敗をしたんだ」「学生時代に友達と大げんかして、学校に行けなくなったことがあるんだよ」といったことです。聖人君子ではない等身大の父親を見せることで、娘も親近感をもちます。父娘関係でも、自己開示が大切になるのです。(聞き手・佐藤陽)■小野寺敦子さん プロフィル

 おのでら・あつこ 1954年生まれ。目白大学名誉教授。就学前の子どもへの発達支援を行うNPO法人フレンズスクエア理事長。専門は発達心理学、家族心理学、ポジティブ心理学。著書に「親と子の生涯発達心理学」(勁草書房)など。

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