ペトロブラスCEO、米関税でアジアに原油輸出転換も 米向け輸出「さほど多くない」
ブラジル国営石油会社ペトロブラスのマグダ・シャンブリアール最高経営責任者(CEO)は17日、米国向けを予定していた原油の輸出先をアジア・太平洋市場へ転換する可能性があると明らかにした。写真はイベントで話す同CEO。ブラジルで7月に撮影(2025年 ロイター/Tita Barros)
[リオデジャネイロ 17日 ロイター] - ブラジル国営石油会社ペトロブラス(PETR4.SA), opens new tabのマグダ・シャンブリアール最高経営責任者(CEO)は17日、ロイターに対し、米国向けを予定していた原油の輸出先をアジア・太平洋市場へ転換する可能性があると明らかにした。トランプ米大統領がブラジルからの輸入品の関税を引き上げると発表したのを受けた措置。
石油と天然ガスの輸出はブラジルの対米輸出の大きな割合を占めているが、シャンブリアール氏はペトロブラスにとって米国は不可欠な市場でないと説明。トランプ氏が先週、ブラジルからの輸入品に50%の関税を課すと表明したことについて「米国向け輸出量はそれほど多くない。全体的に見ても、あまり心配していない」とコメントした。
2025年第1・四半期のペトロブラスの原油輸出全体に占める米国向けの割合は約4%だった。
米国もまた、ブラジルが対米輸出を停止しても大きな影響を受けないとみられる。コンサルティング会社ストーンXによると、米国が25年に消費した原油のうちブラジル産は3%未満だったという。
シャンブリアール氏は8月1日に発効予定の新たな関税が原油に影響するかどうかについてブラジル国内で不確実性が高まる状況で発言した。原油はトランプ氏が以前導入した10%の関税の対象外だった。
ペトロブラスの石油精製品の輸出は第1・四半期に米国向けが日量20万9000バレルのうち37%を占めた。だが、アナリストらはロイターに対し、この程度の輸出量ならば他国へ容易に振り向けられるだろうと指摘した。
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