Netflix、ワーナー・ブラザース買収に向け独占交渉へ。『ホグワーツ・レガシー』や『バットマン アーカム』シリーズなどのIPがNetflix傘下となる可能性
TheWrapなどの海外メディアが、Netflixがワーナー・ブラザース・ディスカバリー(以下、WBD)の買収に向けた独占交渉権を獲得したと一斉に報じました。
買収が成立した場合、WBDが保有する「ハリー・ポッター」やDCユニバースといったIP、および『ホグワーツ・レガシー』や『バットマン:アーカム』シリーズを手掛けたゲーム開発部門もNetflix傘下に入ることになります。
熾烈な入札競争を制し独占交渉へ
TheWrapの報道によると、Netflixは1株あたり30ドルの買収額を提示し、競合していたParamountやComcastを抑えてWBDとの独占交渉に進んだとのこと。
この結果に対し、入札に敗れたParamount側はWBDのCEOに宛てた書簡の中で、選定プロセスが「経営陣の対立によって汚された(tainted by management conflict)」と非難しており、交渉の裏で激しい応酬があったことがうかがえます。
加えて、この大型買収が成立するには、まだ大きなハードルが残されています。TheWrapによると、この取引は反トラスト法(独占禁止法)に関する米国司法省の厳しい審査に直面する可能性があり、一部の議員からも市場の寡占に対する懸念が示されています。
今回の交渉には、こうしたリスクに備え、規制当局の承認が得られなかった場合にNetflixがWBDへ50億ドルを支払うという、巨額の契約破棄手数料も条件に含まれていると伝えられています。
買収の渦中にあるWBDゲーム部門の動向
今回の買収交渉の対象にふくまれるWBDのゲーム部門は、2025年に入ってから大きな変革の時期を迎えていました。
年初に『スーサイド・スクワッド キル・ザ・ジャスティス・リーグ』の不振が関連しているとみられる社長の退任があり、2月には『Wonder Woman』の開発スタジオを含む3つのスタジオが閉鎖されるなど、厳しい状況が続いていました。
こうした中、WBDは6月にゲーム部門の立て直しに着手。「ハリー・ポッター」「ゲーム・オブ・スローンズ」「モータルコンバット」「DCユニバース」という4つの主要IPにリソースを集中させる大規模な組織再編を発表。今回の大型買収劇は、激動の渦中にあったゲーム部門が再起を図っている中での出来事となりました。
『ホグワーツ・レガシー』や『バットマン:アーカム』シリーズといったAAAタイトルを多数手掛けてきたワーナー・ブラザースのゲーム部門が、ストリーミング大手のNetflix傘下でどのような展開を見せるのか、今後の動向が注目されます。