『大阪市の特区民泊』44.7%が中国人や中国系企業...経営管理ビザ取得+民泊運営で大もうけ!?宿泊する外国人らはゴミをポイ捨て...片付けに追われる近隣住民「日本に来るなら日本のルールで」(MBSニュース)

 9月16日に発表された「基準地価」で、関西の住宅地部門の上昇率トップとなった大阪市浪速区塩草。そんな塩草で最近よく目にするのが「特区民泊」です。 【写真を見る】「特区民泊」に宿泊する外国人らがポイ捨てしたゴミ  増加するインバウンドに対し、宿泊施設の不足を解消するためにできた制度で、国が指定した地域でのみ施設の開業などの規制が緩和されるものです。実は全国の特区民泊の9割以上が集中している大阪市では「マナー違反」といったトラブルも。  特区民泊の現状とは?今後どうなるのか?阪南大学・松村嘉久教授の見解をもとにお伝えします。

 JR芦原橋駅が最寄りの浪速区塩草はミナミにほど近い利便性の高いエリア。南北・東西ともに約500mの広さで、大阪市によりますと、その中に17もの特区民泊施設が存在しています。  「基準地価」で関西の住宅地部門の上昇率1位となった背景には、こうした特区民泊としての需要の高まりなどがあるとみられていますが、マナー違反などのトラブルも… (大阪市民) 「騒いだりするし、ゴミもポイポイ捨てたりする」 「飲み会みたいに集まったら、みんなで合唱して楽しむ。そういう雰囲気が午後12時や午前1時に。結構盛り上がっている」  浪速区の隣、西成区では、民泊に滞在している外国人らがアパートの塀のなかにゴミを捨てているということです。住民らは連日、ペットボトルや缶など、ゴミの片付け作業に追われているといいます。  (周辺住民)「嫌やでなぁ。人が捨てたゴミ。片付けするの(Q特区民泊の宿泊者に求めることは?)ゴミはゴミ箱にやね。みんながみんな悪い人じゃないと思うし、差別をする気はないけど、日本に来るんやったら日本のルールでやってもらえたら一番良いよね」

 特区民泊に詳しい専門家が、市が公開する特区民泊の情報をもとに、不動産の登記簿を調べたところ、ある特徴が見えてきたといいます。  (阪南大学 松村嘉久教授)「(大阪市内の特区民泊のうち)営業者が中国人や中国系の企業が44.7%」  なぜこれほど中国系が多いのでしょうか?  (阪南大学 松村嘉久教授)「中国で土地は一切買えない。土地は国のものなので。資産を海外に持って、いざとなったときにその資産が自分のものになるという感覚がまず一点。(特区民泊が)もうかるって分かっているので。もうかるからやるという人が出てきますよね」  西成区で主に中国人相手に不動産を売買する林伝竜さん。やはり、特区民泊用の物件のニーズが高いといいます。  (盛龍 林伝竜社長)「収益いっぱい。今の状況ではお金がもうかる。民泊の収益が多く、お金が入ってきている」


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 コロナ禍以降、急増したという中国系の特区民泊運営。松村教授の調査では、中国人が特区民泊の運営に積極的に乗り出す別の理由も見えてきました。  (阪南大学 松村嘉久教授)「経営管理ビザなのかなという感じ」  経営管理ビザとは、取得すれば最長5年間、日本へ在留できるビザのこと。主な取得条件は「資本金500万円以上の会社があること」などで、このビザを取得するために特区民泊の運営会社を設立したとみられるケースが多く確認されたというのです。  そうした運営会社の1つを訪ねてみると、室内に人の姿はなく、約2時間待機してみたものの人の出入りは確認されませんでした。  (阪南大学 松村嘉久教授)「いま問題なのは、海外在住のままペーパーカンパニーで立ち上げることができて、民泊運営代行の人がいても、なかなかすぐに苦情のところにかけても来てくれないという状況になると、本当に住民が困るんですよね。困るけど、どうしようもない状況でというのはやっぱり問題」

 「経営管理ビザ」について改めて詳しく見ていきます。外国人が日本で経営を行うためのビザで、現在、以下の2つの条件を満たした外国人が最長5年のビザを取得でき、更新も可能となっています。  <現在の取得条件>  (1)日本での事業所の開設  (2)資本金500万円、または、2人以上の常勤職員の雇用  松村教授によると、経営管理ビザを取得して民泊を運営するというビジネスモデルが、現在中国で広まっているとのこと。  政府は今後、このビザの要件を厳格化する予定で、出入国在留管理庁によると、10月中旬の施行を予定しているということです。  <今後の取得条件>  ▼資本金3000万円以上 かつ 1人以上の常勤職員の雇用  ▼経営者の経歴・学歴の要件  など

 全国の民泊の9割が存在する大阪市では、特区民泊の新規受付を停止する方針です。5か月連続で200件以上の申請があり、申請受付予約は11月中旬まで埋まっていて、職員を9人増員して対応するなど、大阪市への申請が増加傾向にあるそうです。  大阪府の吉村知事は9月11日、SNS動画で「ホテルも増えてきたし、いろんな課題も出てきたので、もう特区民泊をやめようと思って横山市長と話している」と発言。  大阪市は今後、新規受付を停止したうえで、指導の強化や、不適格な事業者の認定取り消しなど、課題整理を進めていく方針です。

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