「ノリノリでしたね」 ソフトバンク前田悠伍がプロ初白星の登板を自ら解説 絶体絶命ピンチで「笑っちゃった」わけとは
週に1度の「もっとホークス」。今回は「西スポWEB OTTO!」と球団公式動画配信チャンネル「ホークスTV」によるコラボ企画「鷹番が聞く!解説しちゃおっと‼」の第3弾です。登場するのは今季初登板した13日の楽天戦(楽天モバイルパーク宮城)で、プロ初勝利を挙げた前田悠伍投手(19)です。6回無失点と好投した2年目左腕がポイントに挙げた初回の併殺打と6回の三重殺の解説、そしてマウンドで見せた笑顔の裏話を聞きました。(聞き手・構成=鬼塚淳乃介)
◇ ◇ ◇
―試合前の投球練習はどうだった。 「力んでるなと。その時までは1軍だと、知らぬ間に思っていたし、結果に意識が向いていた。試合が始まるまで時間があったので、『ここ2軍やから』と自分に言い聞かせて。キャッチボールに行った時には気持ちが切り替わっていた。ああ、もう行けるわ、と」
―2軍の意識とは。 「めちゃくちゃ見下ろして投げました。2軍の時も今日勝たないとやばいとか、そんな気持ちでは投げていない。2軍で抑えていたから、1軍でも抑えられるやろと、めちゃくちゃ強い気持ちを持っていった」
―初回は1死から村林選手に中前打を許した。 「(捕手の)外への要求が、甘くなってミスったなと。(当時パ・リーグの)首位打者なので見逃してくれないなと思いました」
―続く黒川選手は二ゴロ併殺に打ち取った。 「ゲッツーは欲しかったのでカーブを引っかけさせた。本当に狙い通り。3人で終われて気持ちがちょっとほっとした場面ですね」
―まだ初回だけに安心は少しだけ。 「(プロ初登板だった)去年(の10月1日のオリックス戦の初回)も6球で終わって。今回も8球で少なくて。去年と同じ感じやな、とも思った。でも、なんか今回は絶対にいけると思っていた」
―無失点で迎えた6回。疲れは。 「めちゃめちゃ疲れてました。筑後を経験してるんで暑くはなかったけど、なぜかしんどかったですね」
―連打で無死一、二塁となって考えたことは。 「ここで打たれたら、多分交代とかもあるだろうなと。絶対交代したくないと思っていた」
―直後に笑顔を見せた。 「無死一、二塁で、首位打者の村林さん。こんな展開あんまりないなあ、と思って。笑っちゃった」
―ふと出た。 「なかなかこういう時にマウンドに立てない。プラス、楽天さんの応援をめっちゃ聞いてて。データ(用の映像)とかで流れてくるので。しかも、ちょうど好きな応援歌が来た。『うわ、これや。聞いてたやつがきた』みたいな。アウェーでみんな手拍子とかも大きくなって。それで笑った」
―聞く余裕があった。 「ノリノリでしたね。めちゃくちゃ。聞いていたやつを今聞けてるみたいな」
―結果、初球で三ゴロの三重殺に打ち取った。 「ちょっと内には入ったけど、初球から打ち損じてくれた。しかも、ここしかないだろ、という所に飛んだ。めちゃくちゃうれしかったです」
―直後は意外と冷静。 「でも、これだけ試合中に叫んで、グラブをたたいたとか、プロに入ってからはしたことなかった」
―プロではなかった。 「楽しむというより、結果を出して早く1軍に行かないと、という気持ちが強かった。でも高校の時のように『めちゃめちゃ楽しく』の方が抑えていた感覚もあった。それでいってみようと」
―笑いはどういう場面で出るのか。 「応援(テーマ)が流れた時ですかね。テンションが上がる。プラスいい打者との対戦とか。楽しくて自然と笑っちゃいますね」
―応援が大きい。 「楽天(戦)の時も寝る前に聞いたんですよ。(楽天の)チャンステーマを。それでアドレナリンが出ちゃって40分くらい寝られなかったんですけど(笑)」
―プロ初勝利で心境も変化があった。 「より1軍でずっと投げたいなと思いました。初勝利はもう終わったこと。ここから2、3勝目って、どんどん勝ちを続けていかないといけない。そこに向けて全部底上げをしていかないとな、と思いました」
※「ホークスTV」では解説動画を公開中↓↓ https://tv.softbankhawks.co.jp/playlist/8de713e6f4cd4e6992b6cd551a0c97a0