別府の老舗ホテルで爆破ロケ!報道陣を巻き込みド派手に大爆発|シネマトゥデイ
特撮ドラマ「ウルトラマンブレーザー」のメイン監督などで知られる田口清隆監督と、全日本プロレスの人気レスラー・安齊勇馬と斉藤ブラザーズ(斉藤ジュン、斉藤レイ)がタッグを組む短編映画『ブゴン対ジュンダ対レイガ 別府最大の決戦』の撮影が5月29日に大分県別府市の杉乃井ホテルで行われ、ド迫力の爆破シーンが報道陣に披露された。
本作は、映画関係者と別府がタッグを組み、地元・別府オールロケをモットーとした別府短編映画プロジェクトの中の一本として製作されるもの。同プロジェクトが掲げる「30分以内の短編」「撮影はオール別府ロケ」「別府市民と力を合わせて作品作り」をベースに、田口監督と青柳尊哉がタッグを組んだ特撮短編映画『怪獣の湯 大怪獣ブゴン』の世界線につながる新たな物語が、全日本プロレスの全面協力によって描かれる。
ADVERTISEMENT前作に続き、本作でも、別府湾を一望できる老舗「別府温泉 杉乃井ホテル」が全面協力。前作の『大怪獣ブゴン』では、建て替えのため一時閉館となっていた客室棟・Hana館を撮影場所として提供。この規模の映画としては異例の大爆破を見事成功させた。そして第2弾となる『ブゴン対ジュンダ対レイガ 別府最大の決戦』では、杉乃井ホテルが展開する大規模リニューアルプロジェクトの一環として、今年1月に閉館した「中館」の宴会場を爆破することとなった。
本作の物語は、別府の夜で酒を楽しんでいた斉藤ブラザーズが突如、宇宙から落ちてきた謎の生物を受け止めたことで、謎の寄生生物と同化。斉藤ブラザーズに投げられた人は爆発をしてしまうという不思議なことが起こり、ふたりが巨大化。ジュンダとレイガという大怪獣になる、という怪獣映画だ。この日は別府で記者会見を行っていた斉藤ブラザーズが突如、会場を爆破させる……というシーンを撮影することとなった。ここでは、青柳兄弟(青柳優馬、青柳亮生)や、田口監督も参加していた「ウルトラマンX」にも出演していた百川晴香も出席していた。
ADVERTISEMENTこの日の爆破シーンは、特撮映画やアクション映画などでもおなじみの「セメント爆破」を実施。コンクリートの材料として知られるセメントを火薬で爆破させ、灰色の粉や煙を四方に飛ばし、巻き上げることで、派手な爆破を実現する撮影技法のこと。この日の記者会見では、前方にクラウドファンディングなどを通じて参加したエキストラが、そして後方には取材を兼ねた、本物の報道陣も参加するなど、会場全員が一丸となって爆破シーンに挑むこととなった。
爆破シーンを撮影する前に、百川演じる司会者のカットや、田口監督が自ら人形をピューッと飛ばして“爆破によって宙を舞う社長”のカットを撮影するなど、手づくり感あふれる撮影を重ねるうちに、会場は次第に一体感に包まれていった。そんな和やかな撮影から一転、いよいよ爆破シーンの撮影を敢行することになると、会場はややピリッとした雰囲気に。「爆破している瞬間が見たいと思いますが、まずは目をガードして、身を守ってください」「もしまわりの人に小さな火の粉が飛んできたのを見つけたら、パンパンと払ってあげてください」など、やはり安全第一ということで、エキストラや報道陣に向けた指導にもいっそう熱が入る田口監督。参加者も、その指導に真剣に耳を傾けていた。
ADVERTISEMENTそしていよいよ爆破シーンが行われたが、想像をはるかに超える火薬の音量で、エキストラの芝居もリアリティあふれる迫真の演技となった。そしてその爆破の余波は非常にすさまじく、室内ということでおよそ数十分にわたっても煙は晴れることなく、しばらくはモクモクとした煙が会場内を覆っていた。
無事に爆破シーンを終えた一同は、報道陣向けに記者会見を実施。「撮影直後ということで、皆さんも一緒に参加していただいて。セメントをみんなで一緒にかぶっていただけたことをうれしく思います」と笑顔を見せた田口監督は、「今日の前半最大の見せ場は皆さんもご覧になったと思いますが、ふたりが巨大化した後も、別府のあちこちを壊していくことになります。それはミニチュア特撮を使って来月撮影するのですが、ミニチュアセットでプロレスをするのは初体験なので、後半の見せ場はこれから撮影することになります」と解説。
さらに「生きているホテルの建物の中で、あれほど派手な爆発をするというのも、普通のお金がかかった映画の撮影であってもなかなかやらせてもらえることじゃない。やはり杉乃井ホテルさんと、この別府の短編映画プロジェクトさんとの信頼関係がないとできないことだと思います。お金がかかった映画でも観られないような画が、突然、この別府の街を舞台とした短編映画で観られるということを楽しんでほしいと思います。おそらく何回観ても飽きない、いい画になったと思う」と手応えを感じている様子だった。
ADVERTISEMENT一方、爆破シーンを終えた斉藤ジュンが「爆破体験がめちゃくちゃ楽しかったので、なんだったらもう一回やりたいくらいだ」と語ると、斉藤レイが「オレら電流爆破を2回やっているんですけど、さっきやった爆破もそれを思い出して楽しかった」と振り返るなど、撮影に参加した全員が一様に「楽しかった」と笑顔を見せているのが印象的だった。(取材・文:壬生智裕)
短編映画『ブゴン対ジュンダ対レイガ 別府最大の決戦』は2026年春別府ブルーバード劇場にて公開予定 (2027年より全国のミニシアターでも上映開始)
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