トランプ氏の対ロ強硬姿勢、米中首脳会談では期待薄か-原油購入巡り

トランプ米大統領は30日、中国の習近平国家主席と韓国で首脳会談に臨む。ウクライナに侵攻したロシアを支援する中国への圧力を強化するようウクライナと同盟国はトランプ政権に求めている。米大統領がロシアのプーチン大統領に対し、どこまで強硬姿勢を取る用意があるか、習氏との会談で試される。

  トランプ政権は今月22日、ロシアの二大石油会社ロスネフチとルクオイルへの制裁を発表。それから1週間が経過し、中国にロシア産原油の購入を抑えるよう働き掛け、ロシアの重要なエネルギー収入に打撃を与える好機が訪れる。トランプ氏は、戦闘終結に向けた努力の一環として、中国によるロシア産原油の購入問題を習氏との会談で取り上げる意向を示してきた。

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  だがロシア産原油を購入する中国企業に著しい圧力をかければ、同国の報復を招く恐れがあり、世界第2の経済大国との包括的貿易交渉など、他の重要な経済課題と比べれば、優先度は高くなさそうだ。

  ブルームバーグ・エコノミクス(BE)のシニア地理経済アナリスト、クリス・ケネディ氏は「細心の注意を要する貿易協議が進行中であることを前提とすれば、トランプ氏がそうしたいとは考えにくい。緊張がエスカレートすれば、中国は恐らく複数の手段に訴えるだろう」と指摘した。

  ウクライナでの戦争に伴う西側の制裁が続く中で、中国はロシア産原油の最大の買い手として、同国のエネルギー産業を支える生命線となってきた。中国は米国の一方的制裁を認めない立場だが、原油購入を通じて戦争継続を手助けした国への「2次制裁」に巻き込まれることや米金融市場へのアクセスを失うことを大手企業は警戒している。

アジア太平洋経済協力会議(APEC)のCEOサミットに参加するトランプ米大統領(韓国・慶州、10月29日)

原題:Trump’s Russia Oil Sanctions Face Early Test in China Meeting(抜粋)

— 取材協力 Ellen Milligan, Yongchang Chin and Derek Wallbank

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