ロシア軍、「博物館にしかない」北朝鮮製60ミリ迫撃砲を最前線に投入

 ロシアがウクライナ侵攻の最前線で、博物館にしかないような北朝鮮製の旧型迫撃砲を使用している様子がカメラに捉えられた。

【写真】ロシア軍が最前線に投入した旧型迫撃砲

 北朝鮮関連専門のニュースサイト「NK NEWS」がこのほど報じたところによると、今月3日からロシアの軍事専門ブログに、クルスク戦線に北朝鮮軍と共に派遣されていたロシア空挺軍第76親衛空挺師団が、北朝鮮軍から供給された60ミリ迫撃砲を使用している写真が掲載されたとのことだ。

 この60ミリ迫撃砲は、北朝鮮の特殊作戦軍がAK-12小銃・機関銃・狙撃用小銃・対戦車誘導ミサイル・対戦車りゅう弾発射機などと共にロシアに持ってきて使用したと言われている。

 ある軍事チャンネルは、ロシア軍人たちの話として、「北朝鮮製60ミリ迫撃砲の試験および射撃の結果、ウクライナ侵攻に『適していない』との評価が出た」と伝えた。

 これと関連して、北朝鮮軍関連の専門家ヨースト・オリマンス氏はNK NEWSに、「北朝鮮の兵器の口径はほとんどがソ連の設計に基づいているのに対して、60ミリ迫撃砲と170ミリ谷山(コクサン)自走砲は西側、特に米国の口径に基づいているものだという点が特異だ」と説明した。

 このほか、ロシア軍が北朝鮮の140ミリ自走砲を使用している様子も、ロシアの軍事専門ブロガーが公開した写真に捉えられている。

 これもやはりソ連の口径に基づいていない北朝鮮製の武器だ。重さ230キログラムのこの自走砲は、砲弾を1分間に10-12回発射することができ、最大射程距離は8キロメートルとされている。

 オリマンス氏は「(北朝鮮以外に)140ミリ(口径の砲)を運用している国はない」とした上で、「140ミリ迫撃砲が以前にも存在したという唯一の証拠は、朝鮮人民軍(KPA)博物館にしかない」と言った。この口径は北朝鮮が1980-90年代に開発した自走迫撃砲にしか使われていないというのが同氏の説明だ。

 また、ウクライナ侵攻では北朝鮮製107ミリ75式多連装ロケット砲(MLRS)も登場したとのことだ。

 さらに、「ロシアは北朝鮮から数百台の170ミリ谷山曲射砲と240ミリ多連装ロケット砲を受け取ったほか、ソ連時代の大砲や曲射砲に使用できる弾薬も数百万発受け取った」という報道もあった。

 ロシア軍が北朝鮮製73式軽機関銃を使用している様子も昨年末から散発的に捉えられている。

 北朝鮮はこの武器を1980年代のイラン・イラク戦争時にイラン軍に大量に供給した。その後もシリアとイエメンのフーシ派がこの武器を使う様子が捉えられている。

 西側の軍事専門メディア「ディフェンス・ブログ」は「ロシアは世界最大の武器輸出国の一つだったが、2022年にウクライナに侵攻して以降は、北朝鮮やイランなどからの武器依存度が高まっている」と指摘した。同メディアでは、「これは、国際制裁によってロシアの防衛産業製造供給網が揺らいでいるためだ」と分析している。

キム・ジャア記者

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>

関連記事: