【解説】うわさ広まる“7月の大地震”“トカラの法則”との関連は? トカラ列島で600回以上の地震 震度4多発

SNSなどで“7月の大地震”“トカラの法則”などの噂が広まるなか、トカラ列島では震度1以上の地震が600回以上発生しています。実はこの地域、過去にも似たような地震活動が発生しています。なぜ地震がおきるのか、巨大地震につながる可能性は? 社会部災害担当・藤吉有咲記者が解説します【週刊地震ニュース

6月23日から29日までの期間、国内で震度1以上の地震は501回発生しました。▼25日午後1時51分ごろ、茨城県沖を震源とする最大震度4の地震がありました。地震の大きさを示すマグニチュードは4.2、震源の深さは54キロでした。▼27日午前8時56分ごろ、茨城県北部を震源とする最大震度3の地震がありました。マグニチュードは4.3、深さは56キロでした。

さらに、鹿児島県の屋久島や奄美大島に挟まれたように並ぶ「トカラ列島」で地震が多発しました。

トカラ列島で21日以降に観測された地震です。震源は海底ですが、近くにある悪石島、小宝島などで揺れを観測しています。活動が活発になった21日午前5時以降、30日午前10時までに震度1以上の地震は654回発生しました。このうち震度4は9回、震度3は41回で、最大規模の地震はマグニチュード5.1でした。

実はこの地域では、過去にも同じように数百回規模の地震が短期間に発生しています。震度1以上の地震回数は――▼2023年9月 346回▼2021年12月 308回

▼2021年4月 265回

この図は地震回数を折れ線グラフにしたものですが、今回の地震活動は過去と比較しても、数が非常に多くなっていることが分かります。

トカラ列島は、ユーラシアプレートとフィリピン海プレートの境界周辺に位置しています。プレートの沈み込む力によって“ひずみ”がたまり、地震を引き起こしているという説があります。

また、震源の北側をみると、諏訪之瀬島という火山があります。地震活動が火山の列上で発生することから、火山活動に伴うものだという指摘もあります。近年、海底火山群の発見などの実態が明かされつつありますが、深い海の底の調査は難しく、全体的な火山活動は解明されていません。

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