なぜ大宮は「都会っぽくない」のか? 巨大ターミナルなのに物足りなく感じる背景(1/3 ページ)

  • 開催日:8月28日(金)
  • 形式:オンラインセミナー
  • 参加費:無料

 大宮駅は、多くの路線が乗り入れる首都圏有数の鉄道の“結節点”だ。駅周辺には商業施設やオフィスビルが集まり、多くの人が行き交う。

多くの路線が集まる大宮駅(筆者撮影、以下同)

 しかし、なぜか“都市感”が弱く、「大宮には何かが足りない」と感じることがある。これほどの結節点でありながら、そう感じてしまうのはなぜなのか。

 その背景には、さいたま市ならではの都市構造があることが分かった。

 「鉄道のまち大宮」と言われている通り、大宮駅にはさまざまな路線が集まっている。

 大宮駅は、北海道・東北方面と上越・北陸方面への新幹線が分岐する新幹線の一大拠点だ。それに加え、上野東京ライン・湘南新宿ラインなどの主要な在来線も乗り入れ、宇都宮線と高崎線が分岐する駅でもある。私鉄では東武アーバンパークラインのターミナルであり、ニューシャトルも大宮を起点としている。

 しかし、上野から高崎までの鉄道が開通した当初、大宮駅はなかった。東北方面への分岐点として開業したのは1885年3月のことだ。

 当時の大宮は、まだ人口の少ない街だった。その後、鉄道の車両工場や製紙工場、製茶工場などができ、街の様子は一変。人口も急速に増えて発展していった。大宮は鉄道を起点に形作られた街と言っても過言ではない。

 JR東日本の大宮駅の2024年度の1日平均乗車人員は25万4220人で、同社の駅では7位となっている。東武鉄道の大宮駅の乗降人員は同13万582人で、東武アーバンパークラインでは柏駅に次ぐ2位だ。

大宮駅東口の繁華街

 東口には江戸時代の大宮宿から続く市街地が広がり、大宮高島屋や銀行・証券会社の支店、繁華街がある。一方、西口にはそごう大宮店や多目的ホールのソニックシティなどがあり、オフィスビルが立ち並ぶ。

大宮駅西口には商業施設やオフィスビルが多い

 このように、鉄道の結節点として多くの人や施設が集まり、街としても大きく発展してきたのが大宮だ。

 しかし、これだけの規模があるにもかかわらず、なぜか都市感はそれほど感じられない。

 その理由を考える上で気になったのが「さいたま市」の成り立ちだ。

 大宮駅があるのはさいたま市大宮区である。埼玉県の県庁所在地であるさいたま市は、旧浦和市・旧大宮市・旧与野市・旧岩槻市が合併してできた。

 「大宮以外の都市を見れば、大宮に都市感を感じにくい理由が分かるのではないか」

 そう考え、旧浦和市の中心駅である浦和駅へ向かった。

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 もう一つ注目しておきたいのが「さいたま新都心」だ。

都市機能が集中

 さいたま新都心は東京への一極集中を緩和するため、国の行政機関などの移転先として整備された街である。旧国鉄・大宮操車場の跡地を活用し、官公庁や企業などが集まる新たな都市として開発された。

 さいたま新都心駅が開業したのは2000年4月だ。京浜東北線と上野東京ラインが停車する一方、湘南新宿ラインは通過する。また、埼京線の北与野駅からも歩行者用デッキを経由してアクセスできる。

 同年5月には「街びらき」も行われた。さいたま新都心合同庁舎には、国の省庁のうち、関東地方を管轄する機関などが置かれ、周辺には大企業のオフィスビルも建つ。

 さらに、さいたまスーパーアリーナのような大規模イベント施設に加え、さいたま赤十字病院や埼玉県立小児医療センターといった大規模病院もある。浦和とは対照的に、新しく大規模な建物が多いのが特徴だ。

高層ビルも多いさいたま新都心

 大宮と浦和の間には、こうした新たな都市感を持つ街も生まれている。

 多くの鉄道路線が集まり、一大拠点として発展してきた大宮駅。その規模とは対照的に都市感を覚えにくい背景には、浦和やさいたま新都心など、異なる都市機能を持つ街が近接しているからだろう。

 同じさいたま市でありながら、それぞれの街が異なる歴史を歩み、異なる役割を担ってきた。それぞれの街が機能を補完し合いながら、一つの都市を形成している。

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  • 形式:オンラインセミナー
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