話題株ピックアップ【夕刊】(1):TDK、イリソ電子、レゾナック
TDK <日足> 「株探」多機能チャートより
■TDK <6762> 1,675.5円 +84.5 円 (+5.3%) 本日終値
TDK<6762>の上昇率が一時7%を超えた。米中関税交渉を巡り両国が合意したとのトランプ米大統領の発言を受け、金融市場においてリスク選好ムードが広がるなか、シクリカルセクターの電子部品株は総じて堅調に推移している。国内電子部品大手のTDKに関しては26日、業界最大の静電容量となる積層セラミックコンデンサーを開発し、6月から量産を開始したと発表。同一サイズの自社従来品と比較して蓄電性能が10倍になったという。AIサーバーやエネルギーストレージシステムでの活用が想定される製品の収益貢献の期待も相まって、同社株を選好する姿勢が強まったとみられている。■イリソ電子工業 <6908> 2,888円 +114 円 (+4.1%) 本日終値
イリソ電子工業<6908>は大幅高。旧村上ファンド系の投資会社シティインデックスイレブンス(東京都渋谷区)が26日付で関東財務局に提出した大量保有報告書で、イリソ電子株を5.04%(共同保有分を含む)取得したことが判明。これを受けて思惑的な買いが入った。保有目的は「投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと」としている。報告義務発生日は6月19日。■レゾナック <4004> 3,331円 +105 円 (+3.3%) 本日終値
レゾナック・ホールディングス<4004>が大幅高で4連騰。リスク選好地合いで景気敏感株への資金流入が顕著となるなか、同社は27日、PulseForge社と次世代半導体パッケージ向けの光剥離プロセスで提携することで合意したと発表。半導体関連での中期的な収益貢献を期待した買いが入ったようだ。PulseForge社は高エネルギーを出力できる光照射システムなどを保有。同社のシステムなどを活用することで、物理的な負荷を掛けることなく、ウエハーやチップをガラスなどのキャリアに一時的に接着する仮固定材を剥離でき、高い歩留まりと生産性を実現できるという。両社は今回の提携によりアジアや北米、欧州での顧客対応やマーケティングを共同で実施する。■日産東HD <8291> 494円 +15 円 (+3.1%) 本日終値
日産東京販売ホールディングス<8291>が3日続伸。26日の取引終了後、英ニッポン・アクティブ・バリュー・ファンドらが提出した変更報告書のなかで、共同保有者である米ダルトン・インベストメンツの保有割合が上昇していたことが明らかとなり、思惑視した買いが入ったようだ。ダルトンの保有割合は1.24%から2.29%に上昇し、これにより共同保有割合は5.02%から6.06%に上昇した。報告義務発生日は19日。ダルトンは保有目的の項目において、株価や株主価値の向上のため、企業側や他の株主などと建設的な対話を行うことを求めていく可能性があるとしている。■オプテックスグループ <6914> 1,722円 +48 円 (+2.9%) 本日終値
オプテックスグループ<6914>が後場一段高。同社はきょう午後0時30分ごろ、画像処理検査で使用するラインスキャンカメラ用照明「LN2シリーズ」を30日に発売すると発表。これが材料視されたようだ。この製品は、業界最高クラスの明るさで、十分な光を取り込むことができるため検査の精度とスピードが向上。検査対象物に応じた3種類のラインアップにより、二次電池の電極シートの異物検査や電子部品用フィルムシートのキズ検査などでの使用が想定されている。■トヨタ自動車 <7203> 2,527円 +70.5 円 (+2.9%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>やマツダ<7261>、SUBARU<7270>など自動車株が一斉高。トランプ米大統領が26日、中国との貿易問題に関し、合意に署名したと表明した。具体的な内容は示されなかったが、ラトニック商務長官も同日、海外メディアのインタビューで、中国との貿易枠組みの合意に関して2日前に署名され、正式に成立したと発言した。米中貿易問題を巡る不透明感が後退したとの受け止めから、自動車株の売り持ち高を解消する目的の買いが入ったようだ。日産自動車<7201>やホンダ<7267>も上昇している。■ソフトバンクグループ <9984> 10,080円 +250 円 (+2.5%) 本日終値
ソフトバンクグループ<9984>が続伸。前日に5.5%高と値を飛ばしたが、きょうも短期筋の利益確定の売りをこなし上値指向を維持した。今年1月以来となる1万円大台回復を果たした。前日の米国株市場ではハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数が2万大台を回復し取引時間中には昨年12月につけた上場来高値を上回る場面があった。米ハイテク株に積極投資する同社株に追い風となっている。また、米株市場ではエヌビディア<NVDA>が連日で上場来高値を更新するなどAI・半導体関連株への買いが顕著であり、これもトランプ米政権下で大規模AIインフラプロジェクトを主導するソフトバンクGの株価に追い風となっている。このほか、同社傘下の通信会社ソフトバンク<9434>が「空飛ぶ基地局」を米社と提携して2026年に国内導入するとの報道もあり、足もとで株価の刺激材料が相次いでいる。■資生堂 <4911> 2,571円 +59 円 (+2.4%) 本日終値
資生堂<4911>が高い。この日、英投資会社のインディペンデント・フランチャイズ・パートナーズ(IFP)が資生堂の株式を買い増していたことが判明し、思惑視した買いを誘ったようだ。同日に提出された変更報告書によると、IFPの保有割合は8.30%(従来は7.28%)に上昇した。報告義務発生日は20日。保有目的には「純投資及び状況に応じて重要提案行為等を行うこともありうる」と記載している。■西部技研 <6223> 1,600円 +35 円 (+2.2%) 本日終値
西部技研<6223>は続伸。26日取引終了後、ペロブスカイト太陽電池製造工場向けの案件を受注したと発表した。受注先は国内総合エンジニアリングサービス会社で、受注金額は4億円。売り上げ計上は26年12月期の予定。これが材料視された。 株探ニュース