「DJI Osmo Pocket 4」速攻レビュー Pocket 3から買い換える価値はある? 進化したポイントを実機で比較した:武者良太の我武者羅ガジェット道(1/4 ページ)

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 長らく“ビデオカメラ”枠で最も売れ続けてきたカメラ──それがDJIのジンバルカメラ「Osmo Pocket」シリーズです。

 いち早く3軸ジンバル構造を取り入れた初代「Osmo」が登場したのは2015年のこと。DJIが培ってきたドローンカメラの技術を取り入れた、世界初の手振れ補正構造入り4Kカメラとなりました。

 その後、スマートフォン用ジンバル「Osmo Mobile/OMシリーズ」(2016年~)や、小型モデル「Osmo Pocket」シリーズ(2018年~)などにバリエーションを拡大し、2023年には1型センサーを内蔵する「Osmo Pocket 3」も登場しました。

 筆者もコンパクトで手振れが極めて少なく、4K/120fpsでの高画質撮影が可能なOsmo Pocket 3には、発売日以来ずっと愛用してきた一人です。常に持ち歩いて、仕事でも、プライベートでも撮影を繰り返してきました。正直なところ、この原稿を書いている現在でも満足しています。

 そしてついに、後継機となる「Osmo Pocket 4」が登場しました。あくまで発売前のテスト機ですが、いち早く実機を試す機会を得られたのでいろいろ試してきたところ、誰が見ても進化したと感じる歓迎したい面と、「ファームウェアの開発が進まないと判断できないところがあるな」という悩ましい面に、感情が右往左往しています。

Osmo Pocket 4(左)とOsmo Pocket 3(右)。microSDメモリーカードスロットにはカバーが付いた

 とはいっても買うこと決定ですけどね! 室内撮影が多い立場からすると、価値ある進化を遂げてくれましたから。後は買い替えるか、買い足すかを悩むだけ……。

 まずは、カメラとしてのスペックから見ていきましょう。価格はジンバルクランプ1/4インチねじ付きハンドル、ポータブルキャリーポーチなどが付属する「Osmo Pocket 4 スタンダードコンボ」が7万9200円、さらにDJI Mic 3トランスミッターや補助ライト、広角レンズ、Osmo ミニ三脚なども付属する「Osmo Pocket 4 クリエイターコンボ」が9万9880円です。

Osmo Pocket 3 Osmo Pocket 4 イメージセンサー 1型センサー 1型センサー(新開発) レンズ フルサイズ換算20mm f/2.0 フルサイズ換算20mm f/2.0 最大録画解像度 4K/120fps 4K/240fps 最大写真解像度 約940万画素 約3700万画素 カラーモード HLG/10bit D-log 10bit D-log トラッキング性能 ActiveTrack6.0 ActiveTrack7.0 ロスレスデジタルズーム 2倍 2倍 内蔵ストレージ なし 107GB Wi-Fi Wi-Fi 5 Wi-Fi 6 USB USB 2.0 USB 3.1 バッテリー容量 1300mAh 1545mAh サイズ 139.7(幅)×42.2(奥行き)×33.5(高さ)mm 144.2(幅)×44.4(奥行き)×33.5(高さ)mm 質量 約179g 約190.5g

 Osmo Pocket 4に搭載されるセンサーは、Osmo Pocket 3と同じく1型サイズです。しかし、新型のセンサーとなっており、4K/30fps・60fps撮影時には白とび、黒つぶれが少ない14ストップのダイナミックレンジを誇るとのこと。

基本的な操作形態はOsmo Pocketシリーズを踏襲

 さらに、100万円超えのシネマカメラにしか搭載されていなかった4K/240fps撮影が可能になりました。ミラーレスやシネマカメラよりセンサーサイズが小さいとはいえ、今までにはないセンサーの読み出し速度、機器内の通信速度、映像情報の処理速度が必要になるわけで、より小さなセンサーを使うスマートフォンより先に4K/240fpsを実現するカメラが登場するとは思っていませんでした。快挙、といえるでしょう。

カメラまわりを見る限り、大きな変化は見られない。しかし、内部はアップデートしている

 レンズは従来通りフルサイズ換算20mmで、明るさはf/2.0です。Osmo Pocket 3に慣れたカメラマンが多いこともあり、同じ画角で撮影できることを意識したものと考えられます。

Osmo Pocket 4(左)とOsmo Pocket 3(右)、それぞれオプションのバッテリーハンドル(Osmo Pocket 4用は9570円)を装着。サイズ感はほとんど変わらない

 本体形状とサイズもほぼ従来通りです。同じ感覚で撮影できる、大きな要素となっています。

Osmo Pocket 4(右)は、ディスプレイパネルを回転させると、ズームボタンとカスタムボタンが現れる

 とはいえ、操作性は改善しました。横位置で撮影するときはディスプレイパネルを回転させることが多いのですが、そのスペースにズームボタンとカスタムボタンが備わりました。

 ジョイスティックでズーム操作をするのではなく、一押しで1倍/2倍の画角が切り替えられるのはありがたいと感じるところ。また2度押しで4倍になります。

 カスタムボタンには、1度押し/2度押し/3度押しにそれぞれ好みの機能を割り当てられます。初期設定は写真/ビデオモードの切り替え、ジンバルモードの切り替え、ジンバルロック/解除となっていました。長押しするとカスタムボタンメニューが表示されるところも、高いユーザビリティーにつながっています。

 ジョイスティックも、倒した角度でジンバルの回転速度が変わる仕様になりました。小さいため繊細なコントロールを行うには慣れが必要ですが、使っていて楽しいと感じるポイントでしたね。

Osmo Pocket 4(左)とOsmo Pocket 3(右)。リブが太くなった、リブ間の幅が広くなった以外の差は見つけにくい
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 ここからはお待ちかねの画質チェックコーナーです。最初に、市販化前のファームウェアでも明らかに品質が向上したと感じるポイントから紹介しましょう。

 Osmo Pocket 4、Osmo Pocket 3共に低照度モードで撮影しました。空のノイズが明らかに減っています。薄雲の形状も分かるようになっており、ダイナミックレンジが拡大しています。

Osmo Pocket 4とOsmo Pocket 3共に低照度モード比較

 点光源となっている鉄道車両のヘッドランプや街灯を見ても、白飛びの面積が狭まっていますね。

 見比べないと分からない差ではありますが、夜景や室内撮影を多く行う方であれば、ナチュラルでシャープな映像が撮れることにワクワクするでしょう。何せ僕がそうですから。

 今までOsmo Pocket 3にあまり不満はなかったのですが、日中の動画モードの映像を見比べてみると、Osmo Pocket 3は黒つぶれを回避するためなのか、当時の映像トレンドが爽やか傾向にあったのか、明るめのAE(自動露出)になっています。また服や帽子の影となる部分も補正をかけているように感じます。

 その点、Osmo Pocket 4は濃厚です。広いダイナミックレンジの性能を生かす露出となっています。暗い部分も粘り、黒の中にも模様があることを伝えてくれます。

上がOsmo Pocket 4、下がOsmo Pocket 3のキャプチャー切り出し。通常の動画モードでもダイナミックレンジが拡大している

 露出とダイナミックレンジの違いを、写真でも比べてみましょう。PROモード/マニュアル設定で同じ露出にしたにもかかわらず、Osmo Pocket 3の方が明るい。本体側では補正をかけていなかったのに、シャドウを持ち上げたような印象を受けます。

上がOsmo Pocket 4、下がOsmo Pocket 3の写真画像。共にマニュアル露出。ISO50、f/2、1/800 ss。露出補正はかけていなかったが、Exifで見るとOsmo Pocket 3は+0.7ステップの補正となっていた
上がOsmo Pocket 4、下がOsmo Pocket 3の写真からのクロップ切り出し。Osmo Pocket 4の方は送電線のケーブルが空に溶けずに残っている

 これは適切な露出と広いダイナミックレンジのおかげでしょう。Osmo Pocket 4は細部のニュアンスもしっかりと記録できるカメラになっています。フルサイズ換算20mmの広角ビデオカメラに求める性能ではないのかもしれませんが、精細感を求める方には重要ですよね。

 4K/240fps撮影も大きな強みです。24fpsの動画にすれば、10倍スローモーションとなりますから。何気ないシーンも、記憶に残る思い出として引き立たせる──Osmo Pocket 4には、そんなポテンシャルを感じます。

Osmo Pocket 4の4K/240fps撮影

 トラッキング性能も向上しました。2倍ズームや、低照度モード撮影時でも被写体を認識して追いかけてくれます。

Osmo Pocket 4のトラッキング性能

 階段を上り/下りしているときの縦ブレ低減には差がない様子です。これは3軸ジンバルの機構によるもので、これ以上のブレをなくすには「DJI Ronin」シリーズで使うような1軸のブレ補正機構が必要になりますね。

Osmo Pocket 4で階段を上り/下り
Osmo Pocket 4で自撮り

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